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【インタビュー】10年先へ。環境の変化を乗り越えて作ったアルバム | BED『via nowhere』

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BEDのジューシー山本(Vocal, Guitar)と村山(Bass)

BEDのジューシー山本(Vocal, Guitar)と村山(Bass)

これでもかと“BED節”を突き詰めた金字塔的な前作『Indirect Memories』以降、ベーシストの村山が事情により抜けていた間も、魚頭圭(OSRUM)、福本貴志(ex.up and coming)、安岡勉(my ex)らに支えられながら、バンドは活動を止めること無く、ライヴや曲作りを進めていった。結成から10年を越え、昔から彼らのことを知る者にとって、“この4人こそBED”という固定観念は少なからずあっただろう。しかし、4人は環境の変化に柔軟に適応。そして妥協の仕方を知っていた。スタジオでのセッションによるリフを主体とした曲の作り方を改め、2人のヴォーカリスト(山口と山本)は、弾き語りから曲作りを始めるようになった。その結果、本作『via nowhere』ではソングライティング力もしっかりと聞き取ることが出来る。

本インタビューでは、個々人の生活にフォーカスしながら、音楽面、そして10年先のことを考えてもらった。前作のインタビュー(『bed『Indirect Memories』Web Zine』)、本作の別媒体でのインタビュー(アンテナPODCAST)などを共に読んでもらうと、聞き方も変わってくるのではないかと思っている。関西に住んでいるけどBEDを知らない、またはあまり聞いたことがない人にこそ、すすめたい作品だ。(テキスト・構成:山田 慎

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【レビュー】ポスト・パンクからディスコ・ファンクへの変化 | ギャング・オブ・フォー『ハード』

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Gang of Four『Hard/Solid Gold』

Gang of Four
Hard/Solid Gold
Wounded Bird Records, 2003年
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デビュー後に発表された『エンターテイメント!』はソリッドなカッティング・ギターとポリティカルな歌詞が話題となり、リーズ大学出身にも関わらずNYパンクバンドと勘違いされることもしばしばだったギャング・オブ・フォー。ダンサブルでパンキッシュなサウンドはザ・ラプチャーやフランツ・フェルディナンドなどから、直接的な影響はないものの、今流行りの国内四つ打ち系若手バンドの源流だったと言い切ってもよいだろう。

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【レビュー】職人気質な神戸っ子に宿るパンへのリスペクト | シンリズム『NEW RHYTHM』

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シンリズム『NEW RHYTHM』

シンリズム
NEW RHYTHM
Ano(t)raks/FAITH MUSIC ENTERTAINMENT INC., 2015年
BUY: Amazon CD&LP, タワーレコード, iTunesで見る

「海があって、人があまりいなくて、パンもすごくおいしい。」

LOSTAGE 五味岳久の奈良からの手紙~LOVE LETTER form NARA~ > 第5回 tofubeats

tofubeatsの神戸感。あまりにも的確な一言である。特筆すべきは最後の一文! フランスパンを戦後の日本に広めたドンクやビゴの店は神戸から生まれ、今では修行を積んだブーランジェ達が至るところでお店を開いている。レコルト、ビアンヴニュ、レ・ミュウ……。トップクラスの実力と人気を誇る上記のベーカリーも、兵庫県内にてDNAを引き継いでいる。

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【レビュー】出せば売れる!“ライヴ・アルバム”というトレンドを作った怪作 | ピーター・フランプトン『フランプトン・カムズ・アライヴ!』

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ピーター・フランプトン『フランプトン・カムズ・アライヴ!』

ピーター・フランプトン
フランプトン・カムズ・アライヴ!
A&M records, 1976年
BUY: Amazon CD&MP3, タワーレコード, iTunesで見る

美しい顔立ちにウェーブがかったロングヘア。スマートな出で立ちで女性の心をつかみ、圧倒的なアイドル・ミュージシャンとして地位を確立。さらには高校時代にデビッド・ボウイとギターを弾き、スティーヴ・マリオットとハンブル・パイを結成し、その後はジョージ・ハリスンの作品にギタリストとして参加。世間からも音楽家からも溺愛された中、全米ツアーを敢行し、選りすぐりのテイクを収めた2枚組のライヴ・アルバム『フランプトン・カムズ・アライヴ!』は、1976年を代表するどころか、”ライヴを録音して販売すれば売れる”というトレンドを作った怪物盤だ。

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【ライヴレビュー】outside yoshino、橋本和樹〈歌の番外地 kyoto 2015 ~うたと麦のよる~〉

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〈歌の番外地 kyoto 2015 ~うたと麦のよる~〉

2月1日 at 京都ネガポジ
〈歌の番外地 kyoto 2015 ~うたと麦のよる~〉
outside yoshino(eastern youth 吉野寿)、橋本和樹(ex.dOPPO, The This Town)

なかなかね、人生思った通りにはいかんですよ。「よし、いこう!」と思って走りだした途端につまづいてコケて、何もかも台無しになんてことも少なく無いように思うんです。
思った通りにね、理想の生き方ってのはあると思うんですよ。こんな風になりたいなっていう夢もあると思うんですよね。だけどそうは問屋が卸さんのですよ。
気が付いたらただただ生きているだけ。昨日からバトンを受けて、ただ今日になって、なんで生きてんだかわかんねえんだけど、とにかく死んでねえから生きてかなきゃなあって思うんですよ。
あの頃はよかったなあなんて思って、あの頃に引き返せるわけじゃないんですよねえ。だからもう、バックギアが無いんです。なあ〜、おい。

2月2日、eastern youthはベーシスト二宮友和が脱退することを発表した。誰もが不動のメンバーだと思い込み、3人の物語は続いていくと考えていただけに、ツイッターをはじめとしてネットでは大きな話題となった。その前日、京都ネガポジで橋本和樹(ex.dOPPO, The This Town)の企画〈歌の番外地 kyoto 2015 ~うたと麦のよる~〉に出演したoutside yoshino(吉野寿)は上記のように語った。

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【コラム】ティーンエイジ・ファンクラブとベル・アンド・セバスチャン – 先輩の仕打ちと下心が僕をグラスゴーへと誘ったのだ!

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Teenage Fanclub『GRAND PRIX』

Teenage Fanclub
GRAND PRIX
MCAビクター/Creation, 1995年
BUY: Amazon CD, タワーレコード

音楽評論家・岡村詩野が講師を務める「音楽ライター講座in京都」は2012年にスタートし、第三期を迎えました。2015年はテーマを設け、課題に取り組んでいます。1月から4月にかけて、『ローカルシーンを考察する』と題し、地域音楽について掘り下げながら、講義を進めている最中です。

2月15日は「英国グラスゴーやエジンバラなどスコットランド周辺の音楽シーンについて」という内容です。僕をはじめとする30代以上の方はもちろん、20代の洋楽リスナーやミュージシャンたちは、何かしらの影響を受けているのではないでしょうか。本コラムでは、講座で触れるであろうティーンエイジ・ファンクラブとベル・アンド・セバスチャンについて、「先輩の仕打ちと下心が僕をグラスゴーへと誘ったのだ」という理由を解説しつつ、少しだけ紐解いていきたいと思います。

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【レビュー】THE FULL TEENZ『魔法はとけた』

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THE FULL TEENZ『魔法はとけた』

THE FULL TEENZ
魔法はとけた
生き埋めレコーズ, 2014年
BUY: JET SET

彼らは音楽を“リブログ”する。現実で、そして途方もないインターネットの海で見かけたフェイバリット・ミュージックを、誰よりも速いスピードでスクレイピングし、音に重ねてゆく。

京都在住、20代前半の3人バンドTHE FULL TEENZは僕よりも10ほど歳が離れているのであるが、自分と同世代バンドと活動方法が異なり、それが実に新しく見える。my letterもインタビューで応えていたが、30代のハードコアパンク・バンド、あるいはDIY精神を掲げて行動した音楽家たちは、現場を中心に考え、それこそリアルにつながりを求めた。音楽性も大変近いところにあり、リスナーたちもそれを好む者が多かったはずだ。ファンジンやテープまたはレコードでリリースするなど、行動には芯そのものが太く、シーンが結成されていった。一方でTHE FULL TEENZは制約を求めず、フリーキーに音楽をやっているように見える。

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【インタビュー】my letter『my letter』

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my letter ライブハウスnanoでの演奏

my letter ライブハウスnanoでの演奏(2014年11月30日)

ついに、ついにである。京都に住んでいれば一回くらいはライヴを見たことがある人も多いmy letterが全国流通盤を& recordsからリリースした。昔から彼らを知る人にとっては、鋭利な感覚よりも円みを感じる仕上がりが特徴なのだが、その中には色鮮やかな景色を詰め込み、音色も確実に豊かになった。こうした変化を紐解くため、ki-ftでは2014年11月中旬に京都二条カフェパランにてインタビューを敢行。すでにCINRAOTOTOYにインタビューが掲載されているため、“関西”に焦点を絞りつつ、学生時代のこと、バンドへ影響を与えた物事、ライヴハウスのことなどを中心に収録。my letter入門としてはかなりディープな内容であるが、作品の本質にぐっと入り込むきっかけになれば、と思う。また、『my letter』は何故「ライ麦パン」なのか? という解説をインタビュー後記に収録しているので、合わせて読んで頂きたい。(テキスト・構成・写真:山田 慎

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ジェニファー・ロペス: First Love

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ジェニファー・ロペス: First Love

ジェニファー・ロペス
First Love
ユニバーサル, 2014年
BUY: Amazon MP3 & CD, iTunes

「First Love」のイントロが始まった途端、シンセの音の渦にぐるぐると引きこまれ、気付くとダンスフロアーで踊っていた。もちろん想像での話だが、2014年エレクトロポップソング代表と言ってもいい程にインパクトがある。

ジェニファー・ロペス(以下ジェイロー)と言えば、ハリウッド女優であり、ラテンフレイバーなR&Bシンガーとして活躍する大御所。「If You Had My Love」の爆発的ヒットで歌手として認められ、成功と波乱のビッグウェーブに乗りながら、2011年に『ラヴ?』をリリース。同盤収録「オン・ザ・フロア」はビルボード3位を記録、YouTubeでは7500万回以上再生されている。

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