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【ライヴレビュー】club solanin vol.28 at 新栄Live & Lounge Vio

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2015年3月27日 club solanin vol.28 at 新栄Live & Lounge Vio

club solanin vol.28
2015年3月27日 at 新栄Live & Lounge Vio
ROTH BART BARON / tigerMos / OGA(The clubbers) / I-NiO

一方は自然の根源に身をまかせるような、他方は巨大な自然にがむしゃらにぶつかっていくような、新世代バンド2組を観てきた。アメリカでの音楽活動をへて名古屋に漂着したイケダユウスケがレミ街の荒木正比呂と結成したtigerMos。片や幼なじみの2人でアメリカ・ツアーを敢行するROTH BART BARON。彼らの共演はこれで3度目だ。

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【コラム】デヴィッド・バーンも認める才能とダーティー・プロジェクターズの天使が競演!

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Nicholas Krgovich

Nicholas Krgovich

LAKEなどKレーベル所属ミュージシャンを始め良質な海外インディーの日本盤リリース、来日ツアーを行う7e.p.が7か月ぶり、2015年最初の招聘ツアーを4月に行う。

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【コラム】名古屋と関西ライヴ決定!穂高亜希子 with 熊坂るつこ『みずいろ』発売記念、その先へツアー

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穂高亜希子

穂高亜希子

F.M.N. SOUND FACTORYからセカンド・アルバム『みずいろ』をリリースした穂高亜希子が2015年4月、待望の関西ツアーを行う。ツアー中日4月18日(土)は京都の喫茶ゆすらごで単独公演(ワンマンはここ一カ所!)、旧民家を改装した、まさにアットホームな空間。穂高の優しく芯の通った歌とギター、それに寄り添う熊坂るつこのアコーディオンをたっぷりと堪能できる。私は『みずいろ』を聴くと、胸が締め付けられ鼓動が速まる、涙が出る。「真っ暗なところからトンネルを抜けたときに見えた空、みたいな感じを表現したかった」と本作リリース時のインタビューで穂高は語っているが、その感覚は繰り返し聴くごとに強まるばかりだ。

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【レビュー】平賀さち枝とホームカミングス『白い光の朝に / 江の島』

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平賀さち枝とホームカミングス『白い光の朝に / 江の島』

平賀さち枝ホームカミングス
白い光の朝に / 江の島(7inch)
SECOND ROYAL, 2015年
BUY: SECOND ROYAL

モータウン風のリズム、躍動感あふれるホームカミングスの伴奏を得て、平賀さち枝の歌がより伸びやかに表現されている。それは表題曲だけなく、平賀の持ち歌の再録音であるB面曲でも同じだ。

そのB面曲「江の島」から私は、同じくモータウン・ビートを応用した曲、DODDODO「猫がニャ~て、犬がワンッ!」を連想した(YouTube)。同曲にはneco眠るが二階堂和美を迎えて録音したカヴァーも存在する(YouTube)。元は打ち込み中心で作られたものを、neco眠るがバンド演奏し、二階堂が歌うことによって新たな魅力が生まれている。あるミュージシャンが作った曲に、気の合う仲間が手を加えることでお互いの魅力を増幅し合う光景が聴こえてくる。その点でこの2曲は成り立ちが似ている。

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【レビュー】Homecomings『Somehow, Somewhere』

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Homecomings『Somehow, Somewhere』

Homecomings
Somehow, Somewhere
Second Royal / felicity, 2014年
BUY: Amazon CD&MP3, タワーレコード, iTunesで見る

先行曲「GREAT ESCAPE」は、リズム隊が前面に出て、重心を落としテンポもゆっくり、パンクを通過した後の80年代ポップス、その最良の瞬間を再現したかのようだった。彼らの音楽は決して過剰にならず隙間を大切に扱っている。以前から影響を公言するザ・スミスではなく、むしろプリンスやシンディー・ローパー等を連想させた。

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【コラム】BELONGが関西期待の若手を集めた初イベント〈Make It Scene Vol.1〉を開催!

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Roots Rock MediaをコンセプトにフリーマガジンとWebを連動させた音楽メディア『BELONG』

Roots Rock MediaをコンセプトにフリーマガジンとWebを連動させた音楽メディア『BELONG』

「シーンを作る!」だなんて、そんな思い切りのいいこと一度は言ってみたい。時代が動く瞬間ほどエキサイティングなものはないから。音楽でも演劇でもスポーツでも、どんな表現分野、エンターティメントであれ同じ。

〈Make It Scene Vol.1〉。関西発のフリー・ペーパー/ウェブ・マガジン『BELONG』が2015年5月23日(土)LIVE SPACE CONPASSにて開催するイベントのことだ。これまでHAPPY、The fin.といった関西発の新鋭をいち早く紹介するだけでなく、Yogee New WavesやFor Tracy Hydeといった関東のニューカマーもピック・アップしてきた『BELONG』は、自らを“ルーツ・ロック・メディア”と名乗るように、現行ミュージシャンだけでなく、ルーツとなった過去の優れた音楽にも熱い視線を注ぎ続けている。時代・国にとらわれず、よい音楽はよい! 全てが並列になった今だからこその、まさに温故知新なポスト・インターネット時代のメディアだ。

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【コラム】〈第三回 京都レコード祭り〉開催決定! 名物店主もやってきます。

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第三回 京都レコード祭り

第三回 京都レコード祭り

2015年も〈レコード・ストア・デイ〉の開催が決定しているが(今年は4月18日)、その翌月、5月16日(土)、17日(日)にかけては〈第三回 京都レコード祭り〉も開催される。『100000t アローントコ』、『ART ROCK NO.1』といった京都市の人気中古レコード・ショップの店主らの呼びかけによる独自の催しだ。

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【コラム】〈京音 -KYOTO- Vol.01〉 Homecomings, DENIMS, she said, Seuss

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homecomings

〈京音(きょうと) -KYOTO- Vol.01〉に出演するhomecomings

京都に限らず学生は金が無いが、暇は余りある。限りあるお金で多くのライヴに行きたい。一方、バンドマンは金も無ければバイトで暇も無い。限りある時間だから有意義なイベントに出たい。そんな双方の希望をマッチさせる格好のライヴ・イベントが立ち上がったので紹介する。

その名もずばり〈京音 -KYOTO-〉。このイベントは事前申し込み制で入場無料、ドリンク代500円のみ! 記念すべき第1回は2015年4月22日(水)に京都METROで開催される。気になる出演者は、今や全国区の存在となったガール・ヴォーカルの和製ジャングリー・ポップHomecomingsを始め、大阪が誇る最高のパーティー・バンドDENIMS、京都のトゥイー・ガール・ポップshe said、どこか懐かしくとろけるような京都のサイケデリアSeussと期待の若手が名を連ねている。

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【レビュー】Trupa Trupa『HEADACHE』

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Trupa Trupa(Photo by Michał Szlaga)

Trupa Trupa(Photo by Michał Szlaga)
メンバー(L→R)Rafał Wojczal – keyboard, guitar / Grzegorz Kwiatkowski – guitar, vocal / Tomek Pawluczuk – drums / Wojciech Juchniewicz – bass, guitar, vocal

キーボードを含む編成の4ピース・バンドTrupa Trupaを聴いて、彼らの母国ポーランドの長きに渡る苦難の歴史を想起した。ホロコーストを例に挙げるまでもなく戦争と国家存亡の危機の繰り返し。淡々と耐え忍ぶようなヴァースから一転エモーショナルなコーラス、時折聴かせる劇的な展開といった曲調にそれは反映されているのかもしれない。一聴、それはニルヴァーナを始めとするグランジ・ロックからの影響のようにも聞こえる。

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【インタビュー】ヒツジツキ『tomorrow’s today』

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ヒツジツキ

ヒツジツキ

ASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文は、我々の取材において、好きな作家としてカズオ・イシグロ、村上春樹の名前をあえて挙げ、音楽における“ひとが作るゆらぎ”の重要性を強調した。その話から私はヒツジツキを思い出した。関西三都から集まった三人によるギター・ロック・バンド。名前の由来は村上春樹『羊をめぐる冒険』。三作目のミニ・アルバム『tomorrow’s today』を発表する彼らも、90年代USインディーに影響を受け、生演奏のグルーヴにこだわっている。

加えてヒツジツキのベース和田奈裕子は、村上春樹は勿論、高橋源一郎や佐々木中の著作を愛読しているが、これらは後藤がたびたび言及する名前でもある。さらに和田は「古の民俗学などの書物の智恵は生きるうえで信頼できる。生身の人間よりも支えになるかもしれない」という内容を私に語ってくれたが、一方、後藤は「民間伝承が重要なのは、歴史書と違ってときの権力者の恣意、勝手な解釈が入らない、その時代を生きる人々のありのままの風俗が記される」という内容を繰り返し発言している

「物事には“二面性”がある。自らの“偏見”を疑え」。これはヒツジツキのギター・ヴォーカル堤俊博が、新作からのMVを説明する際に私に語ったキー・ポイントだが、先述の和田や後藤の発言から、そのまま話がつながっていく。インタビューをまとめながら、まるで『羊をめぐる冒険』の主人公の気分になってきた。何かに導かれているかのような……。とにかく彼との会話を記していく。

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【ライヴレビュー】りんりんふぇす2014(Gotch、三輪二郎、寺尾紗穂ほか)

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りんりんふぇす 本秀康デザインのフライヤー

りんりんふぇす2014(Gotch, 三輪二郎, あだち麗三郎クワルテッット, ソケリッサ, 新倉壮朗, 寺尾紗穂)2014年12月7日
本秀康デザインのフライヤー

「君のやることで何も変えられないと、もし言われたとしたって、僕は歌うのをやめない」。ビッグイシューを広めるイベント『りんりんふぇす』のステージでGotchこと後藤正文は宣言する。ギターを休めハーモニカを取り出しながら「一人で作ると女の子の曲ばかりになっちゃう。バンドでは少年性を開放してるから、独りだと、ほら、ハーモニカも上手くはめられなかったり」とも。ビッグイシューはホームレス支援だけでなく、障害者、自閉症、LGBTといった社会的弱者、マイノリティーについて考える記事も豊富だ。ジェンダーや手先の器用さ、バンドに居ることの安心感について後藤が言及したのはそれを意識して? とは考えすぎか。

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【インタビュー】Sayoko-daisy『ノーマル・ポジション』インタビュー – ジャンゴが掘り出したSSW

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Sayoko-daisy『ノーマル・ポジション』

Sayoko-daisy
ノーマル・ポジション
LUVNYON/BAMBIPHONE RECORDS, 2014年
BUY: Amazon CD, タワーレコード

ポスト・インターネット・ミュージックという概念をご存知でしょうか。ソフィア・コッポラの映画『The Bling Ring』のスコアを担当したワンオートリックス・ポイント・ネヴァー、あるいはFKAトゥウィグス、ビョークをプロデュースすることで話題のアルカといった今をときめくトラック・メイカーがその代表例。過去、現在、インターネット上の無限に思えるアーカイヴから、あたかも人の意思を介しないで作り上げられたような異形サウンドを指します。

しかしこれからご紹介するのは、同じ打ち込み音楽でも、そんなトレンディーなものではありません。しかし卓越した才能。鉄道で関西各地を旅して、多くの人々と実際に触れ合い、レコード盤を選び、生演奏や共同作業を織り交ぜながら練り上げられてきた音楽。大阪生まれ奈良育ち、現在は三重在住、奈良のレコード店『ジャンゴ』が掘り出したシンガー・ソングライター、Sayoko-daisy(サヨコ・デイジー)さんです。

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【コラム】名古屋栄、矢場町のフリー・スペース「spazio rita(スパジオ・リタ)」

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名古屋栄、矢場町のフリー・スペース「spazio rita(スパジオ・リタ)」でのApple Lightによるライヴ

名古屋栄、矢場町のフリー・スペース「spazio rita(スパジオ・リタ)」でのApple Lightによるライヴ

京都から新幹線でわずか30分、名古屋においてもインディー・ミュージシャンの親密なコミュニティーが形成されている。近年新たにtigerMossukida dramasCRUNCHHUSH、トゥラリカ、MILKジョセフ・アルフ・ポルカとその後輩バンドであるムーンといった具合に個性的なアクトが現れてきている。鶴舞K.Djaponのようなおなじみの箱に加え、飲み屋にPA機材を備え付けた新栄きてみてや、雑貨屋2階を活用した大須サイノメのような手頃なライヴ・ヴェニューが増えている点も京都と似ている。

特に本稿では、栄に新しくできたspazio ritaについてふれたい。地下鉄矢場町から徒歩5分、ビル地下で天井の高い、白を基調にすっきりしたレイアウト、普段はカフェ、展示スペースに用いられている。ワークショップや演劇なども行われ、土日にはロック・バンドからアイドル、ジュークまで幅広いジャンルのイベントが開催される。いわば名古屋の新しい文化交流、情報発信の場として機能しているのだ。

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【コラム】& recordsとROTH BART BARON

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TOMO NAKAYAMA: FOG ON THE LENS

TOMO NAKAYAMA
FOG ON THE LENS
& records, 2014年
BUY: Amazon CD & MP3, タワーレコード, iTunesで見る

良質な海外インディー・ロックとそれに負けない国内ミュージシャンを紹介してきた& records。その招聘によりシアトル在住の日系アメリカ人SSWトモ・ナカヤマが来日する。彼の新作をミックスしたユウキ・マシューズ(ザ・シンズ)、そして彼らと共通する世界観を持った東京のミュージシャン2組、oono yuukiとROTH BART BARONが帯同。2014年11月に東名阪に加え、京都、松本を廻る。

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【コラム】穂高亜希子から紐解く関西NO WAVEシーン

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穂高亜希子: みずいろ

穂高亜希子
みずいろ
F.M.N.Sound Factory, 2014年
BUY: Amazon CD, タワーレコード

穂高亜希子『みずいろ』を聴いた。彼女の歌を様々な鍵盤、管弦楽器が彩るシンプルなたたずまいの作品だ。秋の夜に窓を開けたままCDをかけて寝転ぶと、虫の音がさらなる伴奏をつける。穂高亜希子with虫の音オーケストラの生演奏。いや虫の音だけではない。風の音、草木がそよぐ音、どこかの家で夕飯を用意する物音、食器を洗う水音、全てが溶け合って、今ここにしかない演奏が繰り広げられる。そういえばアルケミーレコードを運営するJOJO広重は穂高の音楽を絶賛しているが、彼はノイズの果てに、自然音や生活に寄り添う音の美しさに行き着いたのかもしれない。

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