カテゴリー : Live Review

【ライヴレビュー】ボロフェスタ2016 at KBSホール

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KBSホールで行われたボロフェスタ2016

KBSホールで行われたボロフェスタ2016

ボロフェスタ祝15周年! 2002年に京都の若者4人が手弁当で始めたローカルフェスが、今年もKBSホールで開催された。15年経って主催者4人もアラフォー、そのキャリアは四方に散った。飯田仁一郎はLimited Express (has gone?)を率いながら、音楽配信サイトOTOTOYもリアル脱出ゲームのSCRAPも運営、ミュージシャン・マインドでビジネスの世界もサーフライドしている。ゆーきゃんは京都を出て行って地元富山に帰ったが毎年ボロフェスタにはいる相変わらずの存在。二条のライヴハウスnano店長のMC土龍は京都音楽シーンのアニキ的存在に。そしてもう一人の加藤隆生(ロボピッチャー)はボロフェスタを離れてしまってしばらく経ち、すっかりSCRAPの代表・ゲームクリエイターとして時代の寵児となった。

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2016年関西のヴィジュアル系シーンを紐解く | 〈KANSAI ROCK SUMMIT 2016〉でのTHE BLACK SWANとグリーヴァについて

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KANSAI ROCK SUMMIT 2016

KANSAI ROCK SUMMIT 2016

「ロクサミ」という略称でV系ファンの間で親しまれている、関西最大級のV系サーキットイベント〈KANSAI ROCK SUMMIT EXPLOSION CIRCUIT〉が、今年も5月15日に大阪で開催されました。心斎橋にある6つのライヴハウス (心斎橋Fanjtwice、CLAPPER、DROP、AtlantiQs、OSAKA MUSE、club JANUS)にて行われたこのイベントには、関西だけでなく、全国から56組の主にインディーズで活動するV系バンドが集結した、現在のV系インディーズシーンの有り様が広く見渡せるイベントです。

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【ライヴレビュー】葉山久瑠実復帰記念企画『しあわせ売り場はどこですか?』at 梅田シャングリラ

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【ライヴレポート】葉山久瑠実復帰記念企画『しあわせ売り場はどこですか?』at 梅田シャングリラ

【ライヴレポート】葉山久瑠実復帰記念企画『しあわせ売り場はどこですか?』at 梅田シャングリラ

長らくお待たせ致しました。
会場でお会いしましょう。

彼女がTwitterでツイートしてからこの日をどれだけ待っていたか。ゴールデンウィーク明けた5月10日の火曜日。大粒の雨が降る中、私は梅田シャングリラへと足を運んだ。彼女の、そう葉山久瑠実のライヴを観るために。

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【ライヴレビュー】祝春一番2016

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祝春一番2016

祝春一番2016

年明けと同時に起こった音楽界におけるレジェンドの訃報とゴシップのパンデミックは我々の情報処理能力をパンクさせ、季節の移ろいの体感を止める最も有効な方法として機能した。我々SNS情報過多世代に対する2016年からの挑戦には、現在5月にしてすでにうんざりしつつあるが、なんとか夏を受け入れられる体制が出来たか。ご褒美とばかりにひたすら快楽的なフェス・イベント関連情報が溢れてきて、ようやく浮足が立てるようになったここ数週間でございます。拡大しすぎたフェス文化をまとめるサイトも最近数多く登場し、フェス飯・フェス泊・フェスグッズと新たなフェスの楽しみ方を考察している拡大具合もまた面白い。

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2016年 関西のヴィジュアル系シーンを紐解く | 凛 LAST LIVE〈the end of corruption world〉3月20日 at なんばHatch

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凛『the end of corruption world (MEMORIAL BEST BOX)』

凛-the end of corruption world-
the end of corruption world (MEMORIAL BEST BOX)
wyze iD factory Inc., 2016年
BUY: Amazon CD+DVD, タワーレコード, iTunesで見る

思えば、凛というバンド及び、凛の首謀者であるKISAKI(B)という人は、関西のヴィジュアル系(以下V系)シーンにおいて、さまざまな人やものを繋ぐ、橋渡しのような役割を担っていた。関西を拠点としたインディーズ・レーベルUNDER CODE PRODUCTIONを2003年から2013年まで主宰していたことから、関西とその他の地域のバンドマンを繋ぐ存在であったし、世代的にも、1990年代のX JAPANやLUNA SEAなどに代表される、いわゆるV系元祖の世代と、2000年代中期から登場した“ネオ・ヴィジュアル系”と呼ばれる世代の、ちょうど間の世代であるKISAKIは、そういうビッグな先輩たちと、ネオ・V系以降に登場した後輩たちを繋ぐ存在でもあった。そうして、レーベルオーナーとしても、ミュージシャンとしても、関西のV系シーンを10年以上背負ってきたKISAKIが、2010年に始動したバンドが凛だった。2013年にレーベルUNDER CODEを解体した時に、凛も一時活動休止をしたが、翌年メンバーチェンジを経てカムバック。紆余曲折のあったバンドではあるが、このたびついに、解散という形でその活動に幕をおろす。

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【ライヴレビュー】ボロフェスタ2015

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ボロフェスタ2015 KBSホール入口前の手作りタイムテーブルパネル

ボロフェスタ2015 KBSホール入口前の手作りタイムテーブルパネル

京都の秋の風物詩といえば〈ボロフェスタ〉が思いつく。ミュージシャンやライヴハウスオーナーなどが中心となって、ボランティアスタッフが集まり、DIYで会場を作り出していく様は、一般的な音楽フェスティバルとの大きな違いだ。そして家に帰ってきたような錯覚。アットホームで情熱的な音が鳴り止まない3日間。2015年も京都KBSホールとMETROで行われ、渋さ知らズオーケストラ、くるり、在日ファンク、never young beachなどが出演。ki-ftのライター2名が当日の様子をレポートする。

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【ライヴレビュー】前へ進むために | Sadie Live Tour 2015 Never Ending Voyage

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Sadie『DECADE』

Sadie
DECADE
Majestic Records, 2015年
BUY: Amazon CD, タワーレコード

Sadie
Live Tour2015 Never Ending Voyage -We never say good bye-
2015/07/28 ZEPP NAMBA

この10年間で自分たちが生み出してきた曲たちは、聴く者にとってどういう存在になりえたか。楽しい時だけではなく、辛い時、悔しい時、その背中を押せていたのか、悲しい時、寂しい時に、寄り添える存在であったのか。そして、バンドの活動が止まった後も、自分たちの曲がファンとともに生きていけるのか。この日彼らは、そういうことを必死で確かめているみたいだった。

Sadieが活動を休止する。2005年に真緒(Vo)、剣(G)、美月(G)、亜季(B)、景(Dr)の5人で結成し、大阪を拠点に活動を続けてきたヴィジュアル系バンドSadieは、今年10周年のアニバーサリーイヤーを迎えた。そんな彼らが、9月21日ZEPP TOKYOでのライヴをもってバンドとしての歩みをとめるというのだ。このショッキングなニュースが発表されてから早3ヵ月。今夜ここZEPP NAMBAで彼らは、6月から開始したライヴ・ツアーのファイナル公演を行う。そしてそれは同時に、彼らのホームである大阪での活動休止前ラスト・ライヴでもある(ファンクラブ限定ライヴを除く)。Sadieにとって初めてのZEPPでのワンマン。満員とまではいかないが、フロアには多くのファンが詰めかけていた。

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【ライヴレビュー】祝春一番2015

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服部緑地野外音楽堂で開催された祝春一番2015

服部緑地野外音楽堂で開催された祝春一番2015

5月3日、朝9時半ごろ、服部緑地野外音楽堂。1971年の初回から数え通算30回目の〈春一番〉が11時より開演されるに先立ち、観客列をなす。先頭付近からは「79年のハルイチが終わる時な、フータ言うててんけど……」とお客さんと共に歩んできたこのイベントの歴史が伺えるような会話もちらほら。お手製の手書きボードで撮影禁止や最後尾の案内をする有志スタッフの声も聞こえる。主催者福岡風太がぽつと言った今回のテーマは「原点」。時代の潮流を気に掛けることはなく彼が“ホンモノの音楽”と認めたものだけを届ける、一本筋の通った野外コンサートであるが、今年は長い歴史だからこそ培われてきた、演者・お客さん・スタッフそして音楽の“縁”を強く感じた。

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【クロスレビュー】Nicholas Krgovich + Deradoorian Japan Tour 2015

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Nicholas Krgovich + Deradoorian Japan Tour 2015 at KDハポン

2015年4月3日 at 名古屋鶴舞K・Dハポン
7e.p. presents〈Nicholas Krgovich (No Kids, Gigi, P:ano) + Deradoorian (Dirty Projectors, Avey Tare’s Slasher Flicks) Japan Tour 2015〉

まずアメリカン・トラッドを伴奏に日本の神代の儀式、続いて能や浄瑠璃を思わせるような中東のミュージカル、最後は20世紀初頭のアメリカのラヴ・ロマンスへ。極上のハリウッド映画でも観た気分にさせられてしまった。鶴舞K・Dハポンで行われたニコラス・ケルゴヴィッチとエンジェル・デラドゥーリアンの来日、名古屋公演を目撃した。

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【ライヴレビュー】club solanin vol.28 at 新栄Live & Lounge Vio

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2015年3月27日 club solanin vol.28 at 新栄Live & Lounge Vio

club solanin vol.28
2015年3月27日 at 新栄Live & Lounge Vio
ROTH BART BARON / tigerMos / OGA(The clubbers) / I-NiO

一方は自然の根源に身をまかせるような、他方は巨大な自然にがむしゃらにぶつかっていくような、新世代バンド2組を観てきた。アメリカでの音楽活動をへて名古屋に漂着したイケダユウスケがレミ街の荒木正比呂と結成したtigerMos。片や幼なじみの2人でアメリカ・ツアーを敢行するROTH BART BARON。彼らの共演はこれで3度目だ。

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【ライヴレビュー】ベースメント・ジャックス〈JAPAN TOUR 2015〉at 大阪なんばHatch

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BASEMENT JAXX『Junto』

BASEMENT JAXX
フント(Junto)
Hostess Entertainment, 2014年
BUY: Amazon CD, タワーレコード, iTunesで見る

「ヤバい!! 楽しい!!」

終演後、思わずそんなことを大声で叫んでしまった。〈FUJI ROCK FESTIVAL 2014〉でのライヴ以降、12月には地元イギリスはロンドンにて2万人規模のアリーナ公演を成功させて、今まさに波に乗っているベースメント・ジャックス。そんな彼らの5年ぶりとなる大阪でのワンマン・ライヴは、明るくメロウなダンサブルなナンバーが目立った最新アルバム『フント(Junto)』を受けてのツアーだけあって、徹底的に観客が踊れる演奏を想像したが、“ライヴ”と“ショー”という2つのエンターテイメントを楽しめるものであった。

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【ライヴレビュー】ベンジャミン・ブッカー〈Hostess Club〉大阪梅田Shangri-La

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Benjamin Booker『1st Album』

Benjamin Booker
1st Album
Hostess, 2014年
BUY: Amazon CD, タワーレコード, iTunesで見る

いま『音楽ライター講座in京都』では、それぞれが都市と音楽の関係を考察している。私のテーマは「シカゴの現行ヒップホップシーン」を黒人の歴史の流れの中で見ること。そんな私にとって本稿で紹介するベンジャミン・ブッカーは黒人の歴史という観点から見ると少し異質な存在と言えるかも知れない。

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【クロスレビュー】セイント・ヴィンセント at 大阪梅田クラブ・クアトロ

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セイント・ヴィンセント at 大阪梅田クラブ・クアトロ

セイント・ヴィンセント
2015年2月19日 at 大阪梅田クラブ・クアトロ

セイント・ヴィンセントの持つ2面性

70年代のハードロック・バンドのギタリストを思わせるリフと不規則なビートで独自の世界観を築いてきたアニー・クラークによるソロ・プロジェクト、セイント・ヴィンセント。00年代後半、トレンドの一つとなった街ブルックリンに拠点を置き、ヴァンパイア・ウィークエンドなどと共に頭角を現したシンガー・ソングライターだ。最新作『セイント・ヴィンセント』(2014)では第57回グラミー賞オルタナティヴ・ミュージック・アルバムを獲得するなど大きな成功を手にした。バイオグラフィーをいまさら書くこともないと思う方もいるだろう。しかし、関西圏では〈サマー・ソニック 2012〉以来で今回が初の単独公演であること。そして、普段神戸のCDショップで働いている私からすると、彼女が日本のメディアからの評価と同等の人気を獲得しているかと言われれば疑問が残る。実際、今回の公演でも満員とはならなかった。学生時代から彼女の音楽に触れてきた私としては、8年越しの初ライヴに感慨深いものがあったと同時に、関西でこういった音楽が手軽に享受できる状況はできまいかと思いを新たにした。と前置きが長くなってしまったが、ここからは彼女のライヴ・レポートに移りたいと思う。

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【ライヴレビュー】CHIODOS JAPAN TOUR 2015 at 大阪心斎橋OSAKA MUSE

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CHIODOS JAPAN TOUR 2015 at 大阪心斎橋OSAKA MUSE

CHIODOS JAPAN TOUR 2015
2015年2月8日 at 大阪心斎橋OSAKA MUSE

Craigにはどこまでもドキドキさせられる。鬼気迫る表情で歌い終えた途端にハニかむのがいちいち可愛い。大柄な30男だが男性でもそう思ったと断言しよう。ただ勿論そんな話だけじゃない。

2000年代スクリーモ/ポスト・ハードコア・シーンの一翼を担ったミシガンの6人組Chiodos(チオドス)。これを圧倒的なカリスマ性で率いたのがCraig Owens(Vo)だ。曲構成の変態さが際立つ1st、妖しく演劇的な2ndで人気は盤石に。しかしなんと、カリスマは強制脱退させられる。共倒れではと危ぶまれる中、Craigはエモ界隈の猛者を集めDestroy Rebuild Until God Shows(以下D.R.U.G.S.)を結成したが、2012年に復帰。ファンは大いに歓迎した。

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【ライヴレビュー】リツコ “ミラーボール/弱いアイデンティティ” release party!

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リツコ

リツコ “ミラーボール/弱いアイデンティティ” release party!
2014年11月25日 at 京都二条GROWLY
LIVE: リツコ、Francisco Xaviers、J-Seeds、Cettia(meets ピクミン.from GRIKO)、YOU MUST SEE I、AFRICA

町のサイズの割に大学が多くひしめき合う町、京都。それも影響してかバンドを始める者も多く、音楽さえあれば大学間の垣根も気兼ねなく越えられるラフさがある。また、くるりの轍を歩くように全国を見ても稀有などこかいなたいシーンが形成されている地でもある。リツコはSSWとして着実に京都での地盤を築いてきたミサト(Vo, G)がヴォーカルを務めるなどメンバーそれぞれが別の活動をしながらも結成されたガールズ・バンドだ。そんな彼女たちの初の音源のレコ発ライヴが京都は二条の住宅街にひっそりと佇む京都GROWLYで行われた。

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