【メンフィス留学記】国立公民権博物館から知る、黒人差別とブルース・ミュージック

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メンフィス国立公民権博物館の306号室前にはキング牧師へのリース

メンフィス国立公民権博物館の306号室前にはキング牧師へのリースが飾られている

アメリカテネシー州メンフィスにある国立公民権博物館は、モーテルを改装して作られた博物館。モーテル(Lorraine Motel)はアフリカ系アメリカ人公民権運動の指導者である、マーチン・ルーサー・キング牧師が暗殺された現場である。博物館には、黒人差別の歴史、公民権運動の歴史が時代を追って展示されている。

メンフィス国立公民権博物館の展示

メンフィス国立公民権博物館の展示

メンフィス国立公民権博物館の黒人差別反対運動

メンフィス国立公民権博物館の黒人差別反対運動の展示

メンフィス国立公民権博物館の公民権運動

メンフィス国立公民権博物館の公民権運動の紹介

黒人差別と切っても切れないのが、アメリカ深南部から出てきた音楽のブルースだ。屋外労働者や田舎の黒人の教会の音楽がルーツである。ブルース界の重鎮、B.B.キングは、その物悲しい音色を「恥と辱めに対する怒りの表現」と例えている。ブルースはアメリカ系アメリカ人の人権と政治に対する感情を代弁したものなのである。

その博物館では、1940年代に黒人を支えた代表的な2曲が紹介されていた。ブラインド・ウィリー・マクテルの「Love Changin’ Blues」と、The Freedom Singersの「We Shall Overcome」である。

メンフィス国立公民権博物館のThe Freedom Singers

メンフィス国立公民権博物館内で紹介されているThe Freedom Singers

そして、1960/70年代。ギル・スコット-ヘロン「The Revolution will Not Be Televised」、THE LAST POETS「When the Revolution Come」、マーヴィン・ゲイ「WHAT’S GOING ON?」、スティーヴィー・ワンダー「Living for the City」といった曲が黒人たちを支え、励ました。

メンフィス国立公民権博物館のマーヴィン・ゲイとスティービー・ワンダー

メンフィス国立公民権博物館に飾られているマーヴィン・ゲイとスティービー・ワンダーのレコード

そんな中、特に注目したいのが、ジェームス・ブラウンの「Say it Loud, I’m Black and I’m Proud.」である。”声を大にして言いたい、私は黒人だということを誇りに思っている”とタイトルで言っている通り、黒人に勇気を与えた1曲だ。

留学先の大学からのツアーで訪れた、国立公民権博物館。黒人差別については学校の授業で教わり、中学時代にはキング牧師の演説を覚えた記憶があるが、正直、このツアーで訪れるまでこの博物館の存在を知らなかった。だが、この博物館を訪れて、改めてブルースと黒人差別の繋がりを知った。歌詞の意味や背景を考えず、ただ単に音楽を聴くのもいいと思う。ただ、たまには頭の片隅に黒人差別との繋がりを置いて聴いて欲しい。その曲の重みというか歴史を感じることができるはずだ。

メンフィス国立公民権博物館に飾られているJames Brown『Say it Loud』

メンフィス国立公民権博物館に飾られているJames Brown『Say it Loud』

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現在のミュージックシーンにおいても、ジェームス・ブラウンを彷彿させる、ハマケンこと浜野謙太率いる在日ファンクを始め、THE BAWDIES、Scoobie Do、奇妙礼太郎など、ブルース、ソウルミュージックをルーツとしているアーティストはたくさんいる。彼らのルーツ・ミュージックから歴史を知ることもできるのではないだろうか。