【コラム】開催直前!ゴールデンウィークは祝春一番2018に行こう!

祝春一番2018
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祝春一番2018
祝春一番2018のチラシ

まだ「音楽フェス」という言葉すら日本になかった1971年。映画「ウッドストック」に刺激を受け、福岡風太らが大阪で始めた大規模野外コンサートの元祖、“祝春一番”が今年も5月3日(木)~5月5日(金)の3日間に渡って豊中市・服部緑地野外音楽堂にて開催されます。79年を最後に一旦幕を閉じるも95年から再開し、今年で通算33回目の開催です。

ロック・フォーク・ジャズ・諸芸と何でもアリ、御年70歳になりました主催者・風太さんは40年以上時流に目配せすらすることなく、ただ最高の音楽が流れる環境を作り続けてきました。演者もそんな気概に応え1年の中でベスト・パフォーマンスをぶつけ、この日のために集まってくる有志スタッフが準備から当日の会場を運営し、また1年間楽しみにしていたお客さんが全国から集まるのです。

11時に開場と共にトップバッターのステージが始まり、慣れているお客さんは最前の席ではなく後ろの芝生席を陣取って酒盛りを始める。子供はシャボン玉をして遊び、走り回れば誰彼かまわず注意し、会場全体で面倒を見る。出番が終わった演者はビール飲みながら会場をフラフラ。大部屋一個の楽屋では旧友再会とばかりに談笑し、盛り上がって1曲一緒にやろや!と飛び入りコラボが生まれることもある。これぞホンマのフォーエバーヤング。そして日が沈みきる前には終演し、観客は「また明日!」と言って大阪の街にそれぞれまた飲み直しに消える…。単なるフェス興行じゃなく、関わる人全ての想いが集まってくる場所なのです。

直前に迫りました今年のゴールデンウィーク、本稿をご覧いただいております皆様には是非ハルイチでしか味わえない音楽体験を会場で味わっていただきたい。大阪のゴールデンウィーク、同期間には高槻ジャズストリートがありますし、5日(土)には大阪城野外音楽堂ではこんがりおんがく祭、また茨木音楽祭も開催されます。3日は祝春一番でお酒飲んでまったり、4日ジャズストでぷらぷら散歩、5日こんがりおんがく祭でド派手に大団円といくのは最強コンボじゃないでしょうか。もちろん全日祝春一番で3日間どっぷり遊ぶのは最高です。

2012年に初めて本イベントを見に行き、2013年から有志スタッフとして毎年祝春一番でゴールデンウィークを過ごしております筆者。昨年2017年の模様については以下のnoteにまとめておりますので、こちらを見ていただければよくお分かりいただけるかと思います。
【ライヴレビュー】祝春一番2017|峯大貴の本拠地|note

また福岡風太さんについてはmusician-netに掲載されている2015年のインタビューをお読みいただくのもおすすめです。
第132回 福岡 風太 氏 「春一番」プロデューサー / 舞台監督 | Musicman-NET

もちろんどの日に来たってハズレはありませんし、開場から終演まで休憩する暇すらありません。タイムテーブルも最後まで発表されません、11時の開場と同時にトップバッターの演奏がスタートしますので最初からのご来場がオススメです。その中でも本稿では現在発表されている全38組の中から今年ならではのトピックとなりうる演者を、各日2組の計6組を超厳選し、独断で挙げていただきます。どの日に行こうか、3日間全部行こうか、ゴールデンウィークは服部緑地野外音楽堂へ!


5月3日(木)出演

歌屋BOOTEE with PiCas

カサスリム、芳賀まさひろによるアコースティック・ブルース・ユニット、歌屋BOOTEE。一発聴いただけで大阪の風がすっと吹いてくるようなブルース、しかしいわゆる憂歌団や有山じゅんじのような日本のブルース・オリジネイターたちのコッテリしたものとはどこか違う風。メンフィス・ニューオーリンズの匂いを混じらせて、まったりゆったり、ええ時間が流れるんです。昨年はステージ出演はなく、開場前に外で入場を待っている人に向けて3日間毎朝演奏、始まる前からお客さんをええ心地にさせていたのでした。それを受けて最終日にはステージ転換時間に風太さんから“ちょっとこいつらやらしたって”とサプライズ登場し中央のへそステージで数曲演奏しましたが、今年は満を持して2014年以来に最初からラインナップされております。また今年はアイリッシュ、カントリー、ブルーグラス、フォークなどなどごった煮バンド、京都の至宝パイレーツ・カヌーの男性メンバーPiCasを迎えてのステージというところにも彼らの気合が伺えます。豪華セットに期待!

蠣崎未来

 今年初出演の方も2組いらっしゃいます。岐阜出身、名古屋を中心に活動しておりますシンガーソングライター蠣崎未来。関西の方ではないですが中納良恵(EGO-WRAPPIN’)や親交のある金佑龍やリーテソンなんかを思わせる透き通りつつ、シルキーなボイスには大阪の歌い手たちの遺伝子も見えてきます。今年の2月に代官山 晴れたら空に豆まいてで、見たライヴではギター持ってぽつぽつお酒飲みながら歌う所作がたまらなく粋でした。5月9日に初の全国流通作品『路傍の唄』のリリースが控えており、まさにこれから全国に飛び立とうとする中での出演、ここでのステージがターニングポイントになること必死ですよ!


5月4日(金)出演

アフターアワーズ

 ki-ftではもはやおなじみ、アフターアワーズ。昨年念願の初出演を果たした若手3ピースロックバンド。昨年は自分たちのステージだけではなく、フィナーレを飾ったTHE WIND(福岡風太がドラムを叩くこの日だけのサプライズ・バンド)として再登場し、出演者全員がステージに出揃う大団円の中で背中押されながらやんちゃに存在感を発揮。大阪のシーンに颯爽とアフターアワーズが飛び出した日となったのです。その衝撃はじわじわ伝播、関西圏のライヴハウスではもれなく対バンを食いながら、12月には音源『2nd demo』をリリース、着々と実力を積んできました。特に最近は元々弾き語りシンガーであるショーウエムラ(Vo,Ba)のサムピックを使うベーススタイルに著しい成長が見られます(本人いわく「よーやくベースわかってきたわ」)。『2nd demo』はこれまでHOLIDAY! RECORDS!を始め一部店舗での流通でしたが、先日タワーレコード梅田マルビル店でもの取扱い開始。是非とも入手していただき、彼らなりのヒップホップ・ロック「16」でノれる準備をしておきましょう。また唯一上野エルキュール鉄平(Dr)が歌う「あべのぼるへ」はこの春一番という場所で歌うためにあるような野音で特別な響き方をする曲なので、こちらも要チェック。

中川五郎

 春一番には70年代からの演者も数多いですが、本稿では代表して中川五郎をあげておきましょう。毎年のレギュラーで出演する演者たちによる、年に一度のお祭りとして捉えている人も中にはいますが、祝春一番での中川五郎は最もチャレンジャーな演者であり、毎年違う編成・違う楽曲で春一番に臨んでいるフォークシンガーです(昨年は沢知恵・佐藤良成とのどうぞ裸にトリオ、一昨年は中野督夫・ながはら元・星智佳とのバンドTo Tell The Truthとして出演)。また昨年は久々のオリジナルアルバム『どうぞ裸になって下さい』に続き、シングル『トーキング烏山神社の椎ノ木ブルース』を発売。日本の現状が刻々と変化する中で、中川五郎の歌が今また注目が集めております。今年は現状一人でラインナップされておりますが、毎年今一番歌いたい歌を歌うことにこだわっている中川五郎なので、もしかしたら20分ほどある「トーキング烏山神社の椎ノ木ブルース」の1曲勝負というのもあるのではないでしょうか。


5月5日(土)出演

梅原智昭

春一番は常に異世界の風景を見せてくれます。筆者が過去に見た中でもお寺の住職が説法交えてパフォーマンスしたり、綱渡りショーが行われたり、維新派がこの日のためにヂャンヂャン☆オペラを披露したり。蠣崎未来ともう一人の今年初出演、オーストラリア先住民アボリジニの木製金管楽器、ディジュリドゥの奏者である梅原智昭のステージにはその感覚が立ち上ってきそうな気がしています。日本におけるディジュリドゥの奏者としてはまずGOMAが思い当たりますが、彼もディジュリドゥを民族楽器の範囲内に扱わず様々なミュージシャンとコラボしながら多形態でライヴ活動を展開しております。同日出演の常連、福岡のブルース・シンガー平田達彦とも度々ライヴで共演しており、これはコラボステージも期待できるかもしれません。

スリー・キングス

 今年最も注目を集める発表だったでしょう。鮎川誠(シーナ&ロケッツ)、友部正人、三宅伸治3人によるユニット。鮎川誠は1996年以来22年ぶりの出演となります。昨年12月の三宅伸治トリビュートアルバム『ソングライター』に鮎川、友部共に参加。昨年8月に京都の磔磔、今年1月に名古屋の得三、吉祥寺のスターパインズカフェで3人でのライヴを行っており、その勢いのままに春一番に登場です。どんな曲をやってくれるのか、またこの先もあるかわからないコラボレーション、必見です!是非とも『ソングライター』と、2010年に“友部正人と三宅伸治”名義でリリースされたライヴレコーディング盤『ロックンロール、やってます』で想像を膨らまし、存分に楽しみましょう。


祝春一番2018

2018/5/3(木・祝)、5/4(金・祝)、 5/5(土・祝)
服部緑地野外音楽堂
open/start 11:00

チケットは各種プレイガイド他、関西のライヴハウス・バー・居酒屋など通称「関西不良水商売店」でも発売中。

祝春一番2018 HP

Author Profile

峯 大貴
峯 大貴
1991年生まれ 音楽ライター 兼 新宿勤務会社員 兼 大阪人
CDジャーナル、OTOTOY、Mikikiなどで執筆。
過去執筆履歴などはnoteにまとめております。
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