【インタビュー】LINE wanna be Anchors

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関西の音楽シーンがアツい! そういわれる理由として、このバンドの存在も例外ではないはずだ。そのバンドとはLINE wanna be Anchorsである。彼らの音楽の魅力として歌詞が挙げられる。歌詞に使われている言葉が難しいわけではないのに、それらの言葉が織りなす意味は想像以上に深く、メロディーと合わさるとさらに“繊細さ”を感じさせる。そのメロディーと合うよう緻密に考えられたリズムも魅力で、インディーズでは注目を集めていた。しかし2014年3月、それまで共に活動していたベースとドラムが脱退。そして、長らくサポート・メンバーを加えて活動していた彼らだったが、先日、ベースに大久保寛(ex. 綴)ドラムに龍田一馬(ex. Lop Abuse On Somebody)という“正規メンバー加入”の知らせが舞い込んだ。〈eo MUSIC TRY 2014〉のメインアワードにノミネートされ、さらに〈YOKA Fes. 2014〉の出演も決定。新たな4人でスタートを切ろうとしている彼らの勢いはこれから加速していく。「もう何も失わずに音楽ができる」と語った阿部将也(Vo, G)から発せられる言葉は想像以上にリアルなものだった。大学生でもあり、フロントマンとしてヴォーカルを務める彼が今、何を思い、何を感じているのか。このインタビューから受けとってほしい。(取材・文 / 奥田 みお

「俺ら全然やれる」って思って、その時に変わったかな。でも、音楽が命ってわけじゃないな。

──音楽をやろうと思ったきっかけってありますか?

音楽をやろうと思ったきっかけはレディオヘッドとGRAPEVINEで、バンドがいいなと思ったきかっけはレミオロメンとELLEGARDENで、ライヴ見て一番かっこいいなと思ったのが高2のときに観たオアシス! それに影響されて同じギター買って(笑)。でも影響を受け続けているのはやっぱりレディオヘッドとGRAPEVINEかな。親のCDラックにあって聴いたレディオヘッドの『OK COMPUTER』が衝撃的やって、英語わからないけど、その雰囲気がすごくて。GRAPEVINEはラジオ! そこで歌詞の凄さを知ったかな。歌詞が刺さるというか……初めてやったかな、ラジオで聴いた音楽をすぐ買いにいくっていう経験は。

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Capitol, 2014年
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──それは印象的な出来事ですね!

それで、曲を作ったのは中3のときやけど、バンドは組んでいなくて、ギターも持っていなくて、アカペラで歌って曲にしていた。高2のときの文化祭がきっかけで、初心者でバンドを組んで演奏したことがおもしろくて、バンドいいなと思った。

──その組んだバンドは本気で音楽で食ってくという強い意志のもと組まれたのか、それとも遊びの延長線上みたいな感覚でやっていたのですか?

最初は遊び半分って感じやったかな、文化祭に出られたらいいやって。でも高3で変わった。地元のライヴハウスに出たときに周りに高校生のバンドがいなくて、おじさんのバンドと一緒にやっとって、その人たちから「曲がいいし、ずっと続けたほうがいいよ、これから」って言ってもらって。そのおじさんの勘を信じてしまった感はあるな(笑)。

──いいおじさんですね(笑)。

地元は愛媛で、バンドメンバーと共に大学進学をきっかけに関西に来たけど、やっぱりみんなモチベーションが違うということになり、大学のサークルで組み直した感じかな。それでLINE wanna be Anchors(以下、LINE)を組んだ。

──そのバンドは最初から本気で組んだのですか?

俺自身がまだそんなに可能性を見いだせてなかったから、そこまで本気じゃなかった。大学2回のときにtricotと対バンしたんやけど、ライヴハウスがパンパンになって150人くらい入ってCDが売れたときに「俺ら全然やれる」って思って、その時に変わったかな。でも、音楽が命ってわけじゃないな。そうなったら売れることばっかり考えてダメになる。

──LINE wanna be Anchorsというバンド名の由来を教えてください。

高2のときに組んだのがLINEっていうバンド名で、それにwanna be Anchorsを付けて最後の砦じゃないけど、俺らの音楽が誰かの頼みの綱になればいいなっていう願いを込めてつけた。

──そうなるために歌詞もすごく重要な要素のひとつだと思うのですが、LINEの楽曲を阿部さんが作詞作曲されていて、作詞する上で何かに影響を受けていることってありますか?

本が多い。本は結構読んでいて、坂口安吾、チャールズ・ブコウスキー、村上春樹とか。レイモンド・カーヴァーも好き。つまらない本って頭の中入ってこないけど、おもしろい本って情景が浮かんでくる。歌詞もイメージできなかったらダメって思うし、どうやったらイメージが膨らむかって考えている。

──先ほど、音楽命じゃないっておっしゃっていましたけど、文学にそこまで興味があったら、表現者として作家の道もあるかなと思ったのですけど……。

やっぱり自分が作った曲の時点で頭の中にはベースラインやドラムのリズムはこんな感じとか決まっているけど、意図しないのがメンバーから返ってくるときにそれがよかったら、すごく幸福というか、エクスタシーを迎えるよな(笑)。1人じゃ創れないものやし。詩自体に作家ほどの才能はないと思うし。

俺らがいつも曲つくるときのテーマが「映画のエンドロールや街とかで流れたときに誰が聴いてもグッとくるか」なんやけど…。

例えば、ずっとノリノリな曲を映画のエンドロールで流したとしてもコミカルな限られた映画しか通用しないと思う。街で流れても老人はうるさいなと思うかもしれないし……。そういうのではなくて老人が聴いても、「最近いいな」と言ってほしい。ノリノリな音楽を否定するわけじゃないけど、もしそんな音楽しか売れない時代がきても、俺らはそっちじゃない。だから「音楽で食ってく」っていうのは違うかな。自分らの音楽を信じているから、それで売れたら最高。今、作っている曲も時代に逆行していて、歌詞も死ぬほど暗い。今まで書いた中で一番暗い。これからMV撮影もするけど(MVの詳細は未定)。

Author Profile

奥田 みお
1993年京都生まれの大学3回生
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