【ライヴレビュー】ベースメント・ジャックス〈JAPAN TOUR 2015〉at 大阪なんばHatch

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BASEMENT JAXX『Junto』

BASEMENT JAXX
フント(Junto)
Hostess Entertainment, 2014年
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「ヤバい!! 楽しい!!」

終演後、思わずそんなことを大声で叫んでしまった。〈FUJI ROCK FESTIVAL 2014〉でのライヴ以降、12月には地元イギリスはロンドンにて2万人規模のアリーナ公演を成功させて、今まさに波に乗っているベースメント・ジャックス。そんな彼らの5年ぶりとなる大阪でのワンマン・ライヴは、明るくメロウなダンサブルなナンバーが目立った最新アルバム『フント(Junto)』を受けてのツアーだけあって、徹底的に観客が踊れる演奏を想像したが、“ライヴ”と“ショー”という2つのエンターテイメントを楽しめるものであった。

オーケストラの壮大な音楽がかかる中、ベースメント・ジャックスが登場。中央後方のDJブースにフィリックス・バトン、そしてサイモン・ラトクリフはギターを持ち、女性シンガーが登場する中「Good Luck」からスタート。ソウルフルな歌声とバッキバキなビートが観客のダンスを誘う。その後、「Unicorn」「Power to the People」といった『フント』からのナンバーが続く。手を振り上げてダンスをする者、歌を口ずさむ者、お酒を片手に音に身をゆだねる者と観客も様々な楽しみ方でステージを堪能する。また「Taiko」では、暗闇の中でLEDライトが光る衣装を身にまとったダンサーがパフォーマンスを繰り広げ、オーケストラ・アレンジされた「Raindrops」では星形の仮面を被ったシンガーが歌い、バレリーナが華麗なる舞を披露する。その間、ベースメント・ジャックスはまるで脇役のごとく黙々と演奏をこなしていく。シンガーやダンサー達がメインを担い、自分たちはサブへ回ることで観客が観たい物を提供する姿はライヴというよりも“ショー”と言った方がいいのかもしれない。

そんなことを考えていた終盤、このショーに変化が訪れる。メンバーが1人、また1人と去っていくのだ。「これで本編終了か?」と感じたそのとき、中央後方のDJセットでフィリックスが1人でDJプレイを始めた。そう、今まで脇役に徹してきた彼らが主役になり観客を盛り上げ始めたのだ。彼の手から「House Scene」「Techono Pumper」がプレイされ、会場もシアターからクラブへと姿を変える。気持ちの良い音に会場全体がうっとりとしているとメンバーが1人1人戻り始め、サイモンのギター・ソロからステージがパッと明るくなった瞬間、彼らのアンセム「Where’s Your Head At」が鳴り響く。それまでDJとして徹していたフィリックスがマイクを持ちステージ前方へ駆け出し歌い、会場からは割れんばかりのシンガロングが巻き起こる。その光景はショーではなく“ライヴ”としての彼らの姿を見た瞬間であった。

“ショー”と“ライヴ”と双方で観客を思う存分に楽しませてくれたベースメント・ジャックス。まさに変幻自在のエンターテイナーである事を証明してくれた一夜であった。

Author Profile

安井 豊喜

大阪出身の20代と30代の境目を漂うPOPミュージックバカ一代。基本は邦楽(ロック、ポップス、アイドル等)が中心。ちなみにTwitterのアカウント名が「ゴリさん」となっているのは高校時代あだ名である説が有力。