『RUBYSTAR vol.4』王舟『Wang』release party: at 神戸塩屋旧グッゲンハイム邸: Shin Rizumu、あだち麗三郎、曽我部恵一

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『RUBYSTAR vol.4』王舟『Wang』release party: at 神戸塩屋旧グッゲンハイム邸 外観

『RUBYSTAR vol.4』王舟『Wang』release party
神戸塩屋旧グッゲンハイム邸 外観

梅雨がなかなか明けない関西地方で、その日は珍しく天気の良い休日だった。海岸沿いの塩屋駅すぐ、『借り暮らしのアリエッティ』舞台のモデルにもなった「盛美園」と近い時代に建てられたと思われる異人館、旧グッゲンハイム邸は昼間から満員御礼で、ゆるいパーティムード。

『RUBYSTAR vol.4』王舟『wang』release partyフライヤー

2014年7月12日
『RUBYSTAR vol.4』王舟『wang』release party
at 神戸塩屋旧グッゲンハイム邸
LIVE:曽我部恵一、王舟、あだち麗三郎、Shin Rizumu
DJ:RUBY crew、Study,Drink.crew
音響:西川文章、FOOD:カユミセ、 BAR:BARマツリ、SHOP:HOP-KEN

前半のDJタイムが終わり、最初のゲストライヴは地元神戸から、現役高校生のShin Rizumu。8人編成の大所帯で登場。メンバーは同世代と思われ、初々しい。その中で、パーカッションはシンリズムの父が担当だというのがこれまた微笑ましい光景だが、先日スカートとの共演を果たし、キリンジに影響を受けたという弱冠17歳の少年は、まだまだテクニックを隠し持っていそうな正統派ギターポップを披露。女性ボーカルを起用した曲もあり、かつてのブリッジを彷彿させた。中でも、ライヴバージョンにアレンジされていた「処方箋」は、軽やかな16ビートのカッティングギターに、中性的で爽やかなボーカルが心地よく印象に残った。出来たての初のアルバムを先行で20枚持参していたが、瞬殺で完売。それ程にこのライヴで存在感を知らしめたと思う。

http://youtu.be/V3MLolsjKPE

続いてあだち麗三郎。曲の間に必ず饒舌なMCを挟み、一気に観客を引き寄せる。新曲「アフリカンゴースト」の弾き語りを初めて聴いた。バンドセットのゴージャスなアンサンブルにも痺れたが、ソロではただならぬ色気がある。ラストはキラーチューン「富士山」の大合唱でピースフルに終了かと思いきや、王舟のサポートギターである伴瀬朝彦が突如乱入。「僕達、バンド仲間のドラムとベースなので」と、即興でダブル・ヒューマンビートボックスバージョンが始まった。あだちの背後でビートとコーラスでハモる伴瀬、リアルサウンドピッグ(ブタの鳴き声が出るおもちゃ)をおもむろに取り出し、右足ではリアルサウンドチキンをバスドラムのように踏みつぶすあだち。そのシュールな光景に客席からじわじわと笑い声が溢れる。何と言うか、いい意味で裏切ってくれる素敵な演出だった。

『RUBYSTAR vol.4』王舟『Wang』release party 神戸塩屋旧グッゲンハイム邸外観 夜

『RUBYSTAR vol.4』王舟『Wang』release party
神戸塩屋旧グッゲンハイム邸外観 夜

2階が解放されていたので、南の窓から見える水平線を眺めながら、DJの選曲をBGMにぼんやりしていると、庭のステージに徐々に人が集まる。曽我部恵一は日の入り前にゆったりとスタート。「おとなになんかならないで」の時に誰かが2階からシャボン玉を吹いた。電車の音、飛行機のエンジン音、虫の鳴き声、子供の話し声さえも曽我部の唄う詞にシンクロしてとても気持ちがいい。後半は「キラキラ!」「青春狂走曲」「魔法のバスに乗って」と畳み掛ける絶品のロックンロールへ。ラストでギターの弦も思い切りブチ切って、盛り上がり最高潮の中で終演。アンコールまで1時間以上堪能した。「外国の映画のセットの中に入り込んだみたい」と曽我部が言っていたように、永遠にその中で彼のステージを観ていたかった。

『RUBYSTAR vol.4』王舟『Wang』release party

『RUBYSTAR vol.4』王舟『Wang』release party
王舟ステージセット

そして、最後のゲストは王舟。今回はツインギター、ドラム、ベース、そしてフルートという5人編成。『Wang』の1曲目「tatebue」から穏やかに始まり、弾き語りでも3曲披露。ゆるさとノスタルジックが相まった楽曲を、気負わずポーカーフェイスで唄うその姿は若かりしボブ・ディランのよう。本人がMCで「ご満悦です」と言ってしまう程に、リラックスしたバンドの雰囲気が伺えた。ラグタイムのアンサンブルを下地にしている「New Song」では体が勝手に揺れる。ラストは、アルバムの楽曲の中でも異彩を放っている、ソウルフルなダンスナンバー「瞬間」で一際盛り上がった。アンコールでは「リズムさんの提案で、出演者で最後やります」と3人を呼び出し、シンリズムがベース、あだちがドラム、曽我部と王舟が前に立ち、「今日イチやばいリヴァ-ブかけて!」と曽我部がPAに施すと、まさかの「テレフォンラブ」で大団円。それぞれ即興でソロパートも挟み、会場は大いに沸いた。

塩屋という町がそうさせるのか、会場の一人ひとりの楽しそうな表情がよく見える安心感からか、そこには「またここに訪れたい」と演者にも観客にも感じさせる、終始アットホームで温かい空気がいつまでも流れていた。

王舟: Wang

王舟
Wang
felicity, 2014年
BUY: Amazon MP3 & CD, iTunes

ライヴインフォメーション

王舟 ALBUM『Wang』発売記念 ミニライブ & サイン会 at 大阪
開催日時:2014年8月1日(金) 19:30~
場所:タワーレコードNU茶屋町店イベントスペース

王舟 ALBUM『Wang』発売記念 ミニライブ & サイン会 at 東京
開催日時:2014年8月3日(日) 15:00~
場所:タワーレコード新宿店7Fイベントスペース

Author Profile

白原 美佳
1985年奈良市生まれ、在住。地元を偏愛している。人生の1枚はスーパーカーの「スリーアウトチェンジ」。