【ライヴレビュー】outside yoshino、橋本和樹〈歌の番外地 kyoto 2015 ~うたと麦のよる~〉

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〈歌の番外地 kyoto 2015 ~うたと麦のよる~〉

2月1日 at 京都ネガポジ
〈歌の番外地 kyoto 2015 ~うたと麦のよる~〉
outside yoshino(eastern youth 吉野寿)、橋本和樹(ex.dOPPO, The This Town)

なかなかね、人生思った通りにはいかんですよ。「よし、いこう!」と思って走りだした途端につまづいてコケて、何もかも台無しになんてことも少なく無いように思うんです。
思った通りにね、理想の生き方ってのはあると思うんですよ。こんな風になりたいなっていう夢もあると思うんですよね。だけどそうは問屋が卸さんのですよ。
気が付いたらただただ生きているだけ。昨日からバトンを受けて、ただ今日になって、なんで生きてんだかわかんねえんだけど、とにかく死んでねえから生きてかなきゃなあって思うんですよ。
あの頃はよかったなあなんて思って、あの頃に引き返せるわけじゃないんですよねえ。だからもう、バックギアが無いんです。なあ〜、おい。

2月2日、eastern youthはベーシスト二宮友和が脱退することを発表した。誰もが不動のメンバーだと思い込み、3人の物語は続いていくと考えていただけに、ツイッターをはじめとしてネットでは大きな話題となった。その前日、京都ネガポジで橋本和樹(ex.dOPPO, The This Town)の企画〈歌の番外地 kyoto 2015 ~うたと麦のよる~〉に出演したoutside yoshino(吉野寿)は上記のように語った。

そしてアンコール「片道切符の歌」に突入する。MCでは、ギターを弾いて歌うことしか出来ない。ポンコツだけど気が付けばここまでやってきた。そのようなことをしきりに言っていた。電気ギターをかきむしり、顔面をくしゃくしゃにしながら、裸足の音楽を爆音で鳴らす。打ち震えるような演奏。

橋本はfOULの「ESCAPE」をbloodthirsty butchersがカヴァーしたバージョンをピアノで弾き語る。一定のリズムと強度で鍵盤を淡々と叩き、緩やかな起伏を練り込んで歌い上げる。故・吉村秀樹に捧げるレクイエム。

アンコールでは2人によるイベントタイトル曲も披露された。橋本が曲の断片を作り、あらかじめ吉野に音源を送ったのだという。当日のリハーサルで合わせた、謂わば即興のオリジナル曲である。吉野は橋本に寄り添うように優しく歌い、一方で橋本は尊敬の意を偉大な先輩に贈っているかのようだった。その共時性は互いを敬っているから起きたのであり、一回限りの宴に全ての客は耳を傾けた。

橋本和樹(ex.dOPPO, The This Town)京都ネガポジ

橋本和樹(ex.dOPPO, The This Town)による演奏
2015年2月1日 at 京都ネガポジ

お客さんは打ち上げにも参加できるスタイルだったため、多くの人が残り、吉野寿と杯を共にした。

京都ネガポジのバーカウンター

京都ネガポジのバーカウンター
〈歌の番外地 kyoto 2015 ~うたと麦のよる~〉

アルバム『ボトムオブザワールド』を発表し、3人での最後の旅路に出るeastern youth。MV「街の底」を聴く限りでは最高傑作の予感を抱かせる。彼らの勇姿を見逃すわけにはいかない。

eastern youth『ボトムオブザワールド 』

eastern youth
ボトムオブザワールド
裸足の音楽社, 2015年
BUY: Amazon CD, タワーレコード

Author Profile

山田 慎運営者、sweet music、PAINLOT
1982年東京生まれ。東京新宿で過ごした後、2008年夏にふらっと京都市へ移住。フリーペーパーを製作した後、sweet musicとしてライター、音楽ライター講座in京都の企画、インタビュー、Web制作などで活動中。紆余曲折を経てパンの水先案内人PAINLOTというプロジェクトを開始。ex. CRJ-tokyo、OTOTOY