Animals As Leaders: The Joy of Motion

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Animals As Leaders: The Joy of Motion

Animals As Leaders
The Joy of Motion
SUMERIAN RECORDS, 2014年(輸入盤)
BUY: Amazon CD

今回も期待通りの変態ぶり。当たり前だけれど、褒め言葉だ。ただ今作は、インスト・プログレッシブ・メタルにピンとこない人にも聴いてもらえるかもしれない、と思える仕上がりになっている。

Animals As Leaders(以下AAL)はギタリストTosin Abasiのソロプロジェクトから生まれた、ワシントンD.C.を拠点に活動するバンド。8弦ギター×2+ドラムという編成も珍しいが、何よりその楽曲の特異性で、シーンの中でも既に影響力を持つ存在だ。音楽学校で学んだというジャズをはじめ、エイフェックス・ツインやスクエア・プッシャー等のIDM、ザ・デリンジャー・エスケイプ・プラン等のカオティック・ハードコア、他にも多岐にわたるジャンルの音楽を好んで聴いたというTosin。AALの楽曲の肝は、影響を受けた音楽の要素がクラシックなプログメタルに大胆に加えられ、更にそれらが古臭くないセンスで纏められているということ。このバランス感覚が絶妙なのだ。

3枚目となる『The Joy of Motion』ではこのバランス感が更に研ぎ澄まされた印象を受けた。これでもか! と技術を披露しているのは変わらないが、構成やリズムの組み合わせが巧みで圧迫感やいやらしさがない。そもそも8弦ギターのメタルというと、ひたすら重い歪みを想像するかもしれないが、AALはクリーントーンが主体。8弦分の音域を無駄にせず奏でられるメロディはむしろ爽やかだ。ベースラインもカバーする低音やモダンなリフ、フュージョンの気持ちよさに酔うメロディ、エレクトロの浮遊感、変則的なリズムなどが、あくまでも滑らかに重なり交差する。緻密な計算と技術によるものにも関わらず、柔らかさすら感じる出来栄えだ。

さらっとお洒落に変態な曲を聴かせる上手さが、本作をプログメタル好き以外にも勧める理由。ただし。音とリズムの粒を追いかけると呼吸の仕方を忘れるので、あくまで肩の力を抜いて是非聴いてみてほしい。

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増澤 祥子
奈良市出身、在住の会社員。音楽はラウドからポストロック、インディまで雑食です。地元のお勧めは二月堂。人が少なくなった黄昏時を狙って行くと、恐ろしいほど現実逃避できますよ。