シェヴェル: La Gárgola

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Chevelle: La Gárgola

Chevelle
La Gárgola
Epic Records, 2014年(輸入盤)
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シェヴェルはアメリカ、イリノイ州で1995年に結成されたオルタナティブ・メタルバンド。当初はPete(Vo/G)、Sam(Dr)、Joe(B)のLoeffler3兄弟で活動していたが、2005年のJoe脱退以降はDean Bernardini(因みに義理の兄弟)がベースを担当している。正直、コアなヘヴィロックリスナーしか知らないかもと思える程、日本での知名度は無い。だが実は本国では、2nd『ワンダー・ホワッツ・ネクスト』(2002年)でプラチナディスク獲得以降、実績・評価ともに確たる地位を築いている。

トゥール等と比較される音楽性は、シンプルな楽器構成にもかかわらず奥深い。ギター、ベース共に低音を躍動的に鳴らすダークかつシリアスな世界。警報音のようなフレーズ等が浮遊感や不穏さを加えたかと思えば、時にはキャッチーなメロディーも現れる。Peteの潤んだ声質は独特で、囁くようなパートから怒気をはらんだシャウトまで、その色気もバンドの大きな魅力の一つだ。ミディアムテンポの曲を得意とし、激しさの中に知性や品すら垣間見えるような。そんな格好良さがある。

7th『La Gárgola』は1曲目冒頭のザクザク刻むリフが象徴するように、初期に濃厚だったへヴィネスを全編通して強く感じる仕上がり。「AN ISLAND」をはじめ多くの曲で、地を這うようなグルーヴ感を堪能できるのが嬉しい。また今回「One Ocean」「Twinge」では、アンビエントなアレンジを前面に出しており、重く勢いある本作の中で良いアクセントになっている。以前からポストロック的な音色は取り入れていたが、やはりシェヴェルの楽曲との親和性は高いようだ。

新鮮味を得つつ、持ち味をさらに強靭に。健全な進化だが、誰もができることではない。今作はBillboard Top 200で3位。日米の人気格差を考えるとほぼ絶望的とは思いつつも、来日への期待をまた新たにした、そんな力強い作品だ。

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増澤 祥子
奈良市出身、在住の会社員。音楽はラウドからポストロック、インディまで雑食です。地元のお勧めは二月堂。人が少なくなった黄昏時を狙って行くと、恐ろしいほど現実逃避できますよ。