【ki-ftレビュアーによる】関西音楽ベストディスク2014
- By: 関西拠点の音楽メディア/レビューサイト ki-ft(キフト)
- カテゴリー: Disc Review
- Tags: AZUMI, DENIMS, Especia, HAPPY, Hi how are you?, LOSTAGE, my letter, TheSpringSummer, Vampillia, YPY, くるり, 中村佳穂, 宇宙コンビニ, 本日休演

【次点】AZUMI『夜なし』

夜なし
しゃぼん玉レコード, 2014年
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故・あべのぼるの魂を携えながら歌う昨年ごろから、彼の姿はますます優しくも狂気に満ちている。本作は彼の魅力を最も味わえるアコギ弾き語りが主体となっており、河内音頭・浪曲と新たな音楽を取り入れ続けた近年の彼の足跡を集大成にした2枚組となっている。80年代から共に関西の音楽シーンを支えた盟友を失うことが増えてきた歳に差しかかる中、彼の歌はより哀愁と円熟味を増し、その存在や歌が稀有なものとなっていく。天王寺、通天閣、服部緑地。今年上京した私にとって再生すればいつだって心を大好きな故郷・大阪に戻してくれる、聴く者の人生にずっと寄り添うことの出来る大切な一枚。(峯 大貴)
【次点】HAPPY『HELLO』

HELLO
HAPPY RECORDS, 2014年
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サウンドからは初期〜中期ビートルズ、ゾンビーズ、テンプルズといったサイケデリックなものが想起されるが、今にも消えてしまいそうな彼らとは大きく異なる高揚感、元気が出る感じはなんだろう。歌詞も「Don’ t Worry, You Will Be Alright」(「Time Will Go On」)、「Can’ t You See The Right?」(「Cycle of Life」)と、前向き。あ、週刊少年ジャンプだ。四つ打ちのバスドラ、上昇フレーズ、やさしくも力強いボーカルで表現されている、逃避したくなる気持ちをぐっとこらえ、持ち前の元気さ(若さ)で困難に立ち向かっていく様。ジャンプ作品のアニメ化の際の主題歌にいかがでしょうか。(杢谷 栄里)
今年の英日の二大注目株、テンプルズとHAPPY。両者とも60~70年代のサイケデリック・ロックの影響を受けている。しかし往時の雰囲気をより忠実に再現するテンプルズに対して、HAPPYはシンセを多用、ファンキーなリズムも加わって、むしろポスト・パンク期のバンドに近いアプローチに思える。そして中期以降のビートルズを直接連想させるメロディー・センスといったら! 爆発的に人気が出そうだ。(森 豊和)
https://www.youtube.com/watch?v=6hvTMvI4WDA
【次点】TheSpringSummer『Pictures』

Pictures
THROAT RECORDS, 2014年
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【次点】Vampillia『my beautiful twisted nightmares in aurora rainbow darkness』

my beautiful twisted nightmares in aurora rainbow darkness
Virgin Babylon Records, 2014年
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同時期に発表された企画盤『the divine move』では、戸川純やBiSなどが参加し、この1stとはまた違った面が。むしろ企画盤の方が入りやすいかもしれないのであわせて是非。コラボ魔Vampillia、この間はあの新垣隆と絡んだみたい?! ライヴ予定も楽しみな企画が発表されてるし、2015年の頭に音と映像をセットにした作品を出すようです。読めない展開に期待。(増澤 祥子)
【次点】宇宙コンビニ『月の反射でみてた』

月の反射でみてた
No Big Deal Records, 2014年
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古の都、京都から世界へ。宇宙コンビニは女性ヴォーカルのスリーピース。 2015年に奇跡の再来日公演を行うアメリカン・フットボールを愛するだいじろー(Gt)がマス・ロックな曲を書き、なずお(Dr)、えみちょこ(Ba, Vo)がヴォーカルとリズム部分を加える。かくしてプログレJ-POPが生まれる。そのポスト・ロック・サウンドは宇宙のように壮大。 浮遊する女性ヴォーカルはコンビニのように身近。 彼らの登場はミュージック・シーンの全てを変えるかもしれない。(森 豊和)