Negipecia: Girl’s Life

Negipecia: Girl's Life
Disc Review
Pocket

Negipecia: Girl's Life
Negipecia(Negicco / Especia
Girl’s Life
T-Palette Records, 2014年
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様々なアイドルが登場し「アイドル戦国時代」と呼ばれる昨今。しかし、そんな戦う者同士が時には事務所の垣根を越え、ユニットを組む事もある。新潟のアイドルNegiccoと大阪のアイドルEspeciaがタッグを組んだアイドルユニットNegipeciaがまさにそれである。以前から複数のライヴで共演し、今回「アイドル界を盛り上げていこう」と期間限定で結成(8月30日に解散)。おニャン子クラブからAKB48の楽曲まで手掛けた後藤次利が作曲し、シングル「Girl’s Life」が完成した。

シンセサイザーのキラキラ光るサウンドが印象的な表題曲「Girl’s Life」では“男の子とのデート”をテーマにし、子供から大人になりつつある少女の心情を丁寧に描写している。さらに“恋愛”をテーマにしたM2「水着・浴衣・花火・背伸び」ではそれぞれのCDによって歌詞・サウンドが違う。Especia盤ではアーバン・ファンク的なサウンドに彼女たちのトレードマークの “リボン・カチューシャ”そして、大阪の “オレンジストリート”が登場する。しかし、Negicco盤ではサンバ調のサウンドに“リボン・カチューシャ”が“麦わら帽子”へ“オレンジストリート”が“みなとぴあ”と特徴に合わせた内容になっている。

また、双方の曲では恋愛だけでなく“女の子の日常”をテーマとしている。ファンに支えられ、舞台の上で華やかに輝きながらも、学業の他にダンスレッスンやライヴ会場への移動など普通の女の子と同じ日常を送れないアイドルも多い。だからこそ、歌の中では“アイドル”という役割を取り “普通の女の子”の生活を楽しんでほしい、そんな願いがこの作品からは感じられる。つい先日Especiaの杉本暁音が脱退したが、もしかしたらこの作品は彼女へ向けた“餞の言葉”だったのかもしれない。彼女が脱退した今、僕のスピーカーから2度と同じ形では聴けない9人のNegipeciaの歌声が切なく胸に響き渡る。

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