Nothing More: Nothing More

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Nothing More: Nothing More

Nothing More
Nothing More
Eleven Seven Music, 2014年(輸入盤)
BUY: Amazon CD, iTunes Music Store

試聴機で聴いて買うと(知らないバンドならば特に)正直失敗もある。しかし偶然の出会いこそ店で音楽を探す醍醐味だし、お気に入りに出会えた喜びも大きいもの。

米・サンアントニオの4人組、Nothing Moreのセルフタイトル作は、神秘的なプログラミングから苛烈なドラミングへつながる「Ocean Floor」~「This Is The Time[Ballast]」で幕を開ける。自己紹介には十分なインパクトと高いテンションでグッと掴まれてしまった。ジャンルをあてるならばプログレ風味のモダンヘヴィネスか。ぐいぐい引っ張るリズム隊や、空間的にも攻撃的にも働くギターも良いのだが、特筆すべきは情感溢れるJonny Hawkins(Vo)の歌唱力。「If I Were」など中盤以降のミディアムバラードはマイルス・ケネディを思い出すような、そんなスケールの大きさだ。もう涙腺を刺激するエモーショナルさで迫ってくる。アルバムとしても1・6曲目とラストにインストに近い曲を配し、纏まりと奥行きが感じられる。波の音で始まり燃える木の音で終わる最終曲「Pyre」は一気に聴き通した後に不思議な余韻を残してくれる。

曲調としてはデッド・レター・サーカスやフェア・トゥ・ミッドランド好きには堪らないはず(筆者のように)。ただもっと間口を広げられそうなのが彼らの強み。なんせ、こだわりが強い割にどキャッチー。スライスやフューネラル・フォー・ア・フレンドなどのメタル感とメロディが強いスクリーモ好き、またサーティ・セカンズ・トゥ・マーズなどが好きな人にも。更に漂うアメリカ的男臭さからは広く王道ロックリスナーにも聴いてみてほしい。

先日店頭で出会うまで知らなかったので調べてみると、海外では注目が高まっているよう。本国のスリップノット主催〈Knotfest〉への出演も決定している。彼らのライブがまた面白いらしい。サマソニのステージなどにもとても合うと思う。……来年辺り是非どうだろう?

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増澤 祥子
奈良市出身、在住の会社員。音楽はラウドからポストロック、インディまで雑食です。地元のお勧めは二月堂。人が少なくなった黄昏時を狙って行くと、恐ろしいほど現実逃避できますよ。