Special Favorite Music『Explorers』

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SPECIAL FAVORITE MUSIC: Explorer

SPECIAL FAVORITE MUSIC
Explorer
自主制作, 2014年
BUY: FLAKE RECORDS

関西の若きトリックスターと断言してしまおうこの男、クメユウスケ。同志社大学で結成されたNOKIES! をフロントマンとして率い、SXSW出演・US / EUツアーも経験し、国内外で評価されるインディーロックバンドに。Awesome City Clubのモリシマヒロシとのユニットmorikumeではとびっきりメロウなナンバーを制作しつつ、短編映画「みなと、かこ、げんざい」の音楽も担当。札幌のYOU SAID SOMETHINGのマスタリングや、所属するFLAKE RECORDSの作品を中心にリミックスを手掛けることも多数。この周りを巻き込みながら自身のポップミュージックを複数の角度から表現していくスタイルは、岸田剛(NINGENCLUB, POST MODERN TEAMなど)や、畑は違えどtofubeatsらビートシーンにも通じる、関西の潮流なのか。

4曲入りミニアルバムの本作は、そんなクメが始めたプロジェクトによる初作である。参加しているのはクメのほかに、Turntable Filmsなどにサポートで参加している植木晴彦(Key)、Wallflowerの奥田直広(Dr)、is世界平和BANDのラビンユー(Cho)ら、現行関西インディーシーン・オールスターズな面々に、盟友モリシマ(バンジョー・マンドリン)もゲストで参加、と“特別なお気に入りの音楽”な堂々たるバンド名に相応しい顔ぶれだ。

カントリー・フォークなサウンドとリズムを軸に、「Machi Wo Arukeba」や「Explorer」では管弦楽を、「Organ」では様々なパーカッションやおもちゃが使われ、トクマルシューゴやベイルートにも通じる多国籍なチェンバー、トイ・ポップに仕上がっている。収録されている4曲にそれほど統一感はなく、メランコリックで遊び心満載の曲展開には、クメのやんちゃな職人気質な部分が存分に発揮されており、出てきたアイデアを3〜4分のポップミュージックに詰められるだけ詰め込んでみましたと言わんばかりだ。

NOKIES! から始まり、この“おもろいこと全部やったんねん” と次々と新たな試みを打ち出しているクメの勢いを今、最も如実に感じられる作品ではないだろうか。

Author Profile

峯 大貴音楽ライター兼社会人、京都講座東京特派員
1991年大阪生まれ。2014年3月に京都講座 で制作した「現代関西音楽帖」を編集長として発刊し、同志社大卒業、就職のため上京。 現在もライターとしてQuick Japan,CDジャーナル,BELONGなどに寄稿。落語とフォークをこよなく愛する生粋の大阪人。HITORI JAMBOREE~Mine Daiki Official Tumblr~