【レビュー】永遠に踊るための準備はいいかい? | 夜の本気ダンス「By My Side」

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関西を中心に定期開催されているLIVE&DJイベントで、〈見放題〉〈MINAMI WHEEL〉と共に近年の関西ロックキッズ達の登竜門的存在となっている「onion night!」で、2013年に初めて見た時、なんじゃこのバンド名は? と思ったが、そこから早2年。全国各地のロックフェスに引っ張りだことなった今、もはや“ザ・ベスト・オブ名は体を表す”としか思えなくなった夜ダン。神戸から出てきたキュウソネコカミ、大阪は堺から出てきたKANA-BOONに続く、京都からの“第三の男たち”として関西ギターロックシーンを牽引する存在となっている。

前のめりなビート、延々繰り返されるキャッチーリフ、べらんめぇ口調でまくし立てる米田貴紀(Vo・G)のミックジャガーの時代から普遍的なロックボーカリストとしてのステージングを熟知しているような立ち振る舞いは、流行としてのいわゆる“四つ打ちロック”を代表する存在になりつつも一線を画すスタイルでここに上り詰めてきた。

初アルバム『DANCE TIME』から8か月、初のシングルとなる3曲入り。「By My Side」では繰り返されるリフ・サビフレーズは夜ダン印というようなものであるが、これまでの代表曲よりもぐっと重いビートでテンポを落とし、煽りながらもふてぶてしく歌う米田はまるでリアム・ギャラガーのようだ。「Show Down」ではこれまでの彼らに通ずるハイテンションな楽曲ではあるものの、“fuckin’ so tired”とノーテンキに悪態をつくことも“マジで来ないで戦争”のような日和見的キラーワードもなく、“showdown”=「土壇場の勝負」とまるで破竹の勢いである現状に満足するどころか、一過性への危機感にもがく彼らを描いているかのような言葉が並ぶ。また彼らの持ち味である言葉のグルーヴも抑えられており、余計に一つ一つの言葉が意味となって耳に飛び込み“ただ自分の正しいと思うことを止めちゃダメだよ”と自身を奮い立たせるような彼らの「今」を刻み込んでいる。「Too Young」は4カウントで始まるラフなロックンロール、フランツ・フィルディナンドやアークティック・モンキーズ、ザ・フラテリスといった彼らが高校生当時、初めてリアルタイム洋楽経験をしたであろうブリティッシュロック勢への愛に溢れている。

新たな試みを打ち、冷静に今を刻み、原点に立ち戻る。この3曲で描き出す夜ダンのこれからの世界は一夜だけのドラッキーでインスタントなものであってはならない、永遠に踊り続けるための一段ステップアップした新たなダンスロックを模索している。

Author Profile

峯 大貴音楽ライター兼社会人、京都講座東京特派員
1991年大阪生まれ。2014年3月に京都講座 で制作した「現代関西音楽帖」を編集長として発刊し、同志社大卒業、就職のため上京。 現在もライターとしてQuick Japan,CDジャーナル,BELONGなどに寄稿。落語とフォークをこよなく愛する生粋の大阪人。HITORI JAMBOREE~Mine Daiki Official Tumblr~