タグ : 1976年の音楽

【レビュー】音楽で国を変えようとした男 | フェラ・クティ『ゾンビ』

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フェラ・クティ『ゾンビ』

Fela Kuti
Zombie
Knitting Factory, 1976年
BUY: Amazon CD, タワーレコード

フェラ・クティと言えばファンクやジャズ、アフリカ音楽などを咀嚼し“アフロビート”という音楽を確立した人物であるが、そのダンサブルなサウンドとは対照的に歌詞は黒人の解放や母国ナイジェリアの政府を非難したものが目立つ。ナイジェリアといえばアフリカ大陸では最大級の石油産出国であるが、上流階級の人間はごく一部あり、国民の大半は貧困に苦しむ状況が古くから続いている。この国を音楽で変えようとフェラは白人に強制的つけられたという理由でミドルネームであったキリスト教の洗礼名を捨て、ナイジェリアにて活動を行っていた。反政府的な姿勢から何度も言われのない罪で逮捕されたが、それでも彼は屈せず、その体験すらも自らの音楽へと変えていった。その集大成となった作品こそ、この『ゾンビ』である。

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【クロスレビュー】ザ・ローリング・ストーンズ『ブラック・アンド・ブルー』

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ザ・ローリング・ストーンズ『ブラック・アンド・ブルー』

THE ROLLING STONES
BLACK AND BLUE
ソニー・ミュージックレコーズ, 1976年
BUY: Amazon CD&MP3, タワーレコード, iTunesで見る

ki-ftレビュアーが参加している岡村詩野による〈音楽ライター講座in京都〉では、6月14日に田中宗一郎さん(the sign magazineクリエイティブディレクターetc.)をお迎えし、特別講座「田中宗一郎先生の赤ペン講義」を実施致しました。先生から我々に与えられた課題はザ・ローリング・ストーンズ『ブラック・アンド・ブルー』(1976年発表作品)でした。

「この作品を選んだ理由は、音楽的な参照点が明確で、時代的な背景にも影響されてて、リリックも分析対象になり、すでにしっかりと歴史的な位置付けがされているから。これについて書けないなら、何についても書けない、現代のものも書けないよ」とおっしゃる先生。当日は4時間に及ぶ熱血指導で、濃密な講義となりました。その指導を経て完成した二つの記事をアップいたします。

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【レビュー】出せば売れる!“ライヴ・アルバム”というトレンドを作った怪作 | ピーター・フランプトン『フランプトン・カムズ・アライヴ!』

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ピーター・フランプトン『フランプトン・カムズ・アライヴ!』

ピーター・フランプトン
フランプトン・カムズ・アライヴ!
A&M records, 1976年
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美しい顔立ちにウェーブがかったロングヘア。スマートな出で立ちで女性の心をつかみ、圧倒的なアイドル・ミュージシャンとして地位を確立。さらには高校時代にデビッド・ボウイとギターを弾き、スティーヴ・マリオットとハンブル・パイを結成し、その後はジョージ・ハリスンの作品にギタリストとして参加。世間からも音楽家からも溺愛された中、全米ツアーを敢行し、選りすぐりのテイクを収めた2枚組のライヴ・アルバム『フランプトン・カムズ・アライヴ!』は、1976年を代表するどころか、”ライヴを録音して販売すれば売れる”というトレンドを作った怪物盤だ。

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