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【レビュー】イージー・ライダーには早すぎる | ギリシャラブ『イッツ・オンリー・ア・ジョーク』

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ギリシャラブ『イッツ・オンリー・ア・ジョーク』

ギリシャラブ
イッツ・オンリー・ア・ジョーク
ミロクレコーズ, 2017年
BUY: Amazon CD&DVD, タワーレコード, 楽天ブックス

京都出身のバンド、ギリシャラブ初のフル・アルバムとなる本作。資料に「ティアドロップ・エクスプローズやデーモン・アルバーンのソロ作を日本語ロックとして翻訳する」と書かれていたため、サイケデリックなテイストや現代音楽からの影響を受けた作品になるかと思ってはいたが、とてもメロディアスで愛着のあるポップ・ソング達へと仕上がっており、また不器用ながらも愛らしさを感じるボーカル天川悠雅の歌声はデーモン・アルバーンや ジュリアン・コープよりも『犬は吠えるがキャラバンは進む』の頃の小沢健二の歌声を思い起こさせてくれる。と、本作を一通り聴き終えて、今度は彼らの歌詞を注視しながら改めて聴き直すと驚いた。今まで耳から流れていた音が脳内でヴィジョンとなり映画になったのだ。しかも、それは以前、僕も観たことのある映画だ。豪華絢爛乱な1940年代のハリウッド映画? 違う。フランスのヌーベルバーグ? 違う。この感じは……そうだ、思い出した。アメリカン・ニューシネマだ。

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【レビュー】ギリシャラブ『商品』

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ギリシャラブ『商品』

ギリシャラブ
商品
SIMPO RECORDS, 2015年
BUY: SIMPO RECORDS

演奏力も歌唱力もいらない。ただ溢れんばかりの音楽愛があれば。

「ヘタウマ」賛美の定型句に辟易とする読者もあろうが、その魅力を考え直したい。まず、私はそういった音楽を聴いていると、身近で音が鳴っているような錯覚に陥る。例えば初期のくるりがそうだった。プロ・ミュージシャンの音とは明らかに違う、変な曲に変な歌詞。まるで近所の大学生のお兄ちゃんが思いつきそうな、身近で楽しいアイデアが詰め込まれていた。

その点に関しては似た香りを感じる。ギリシャラブだ。2014年、京都の某大学で結成され、メンバー変遷を経て活動を続ける三人組。昨年、人気レコーディング・スタジオSIMPOが立ち上げた同名レーベルの第一弾としてEP『商品』を発表した。これがまさに、ひねくれたポップス・センスの光る「身近な音」だったのだ。

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