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【ライヴレビュー】祝春一番2016

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祝春一番2016

祝春一番2016

年明けと同時に起こった音楽界におけるレジェンドの訃報とゴシップのパンデミックは我々の情報処理能力をパンクさせ、季節の移ろいの体感を止める最も有効な方法として機能した。我々SNS情報過多世代に対する2016年からの挑戦には、現在5月にしてすでにうんざりしつつあるが、なんとか夏を受け入れられる体制が出来たか。ご褒美とばかりにひたすら快楽的なフェス・イベント関連情報が溢れてきて、ようやく浮足が立てるようになったここ数週間でございます。拡大しすぎたフェス文化をまとめるサイトも最近数多く登場し、フェス飯・フェス泊・フェスグッズと新たなフェスの楽しみ方を考察している拡大具合もまた面白い。

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【ライヴレビュー】祝春一番2015

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服部緑地野外音楽堂で開催された祝春一番2015

服部緑地野外音楽堂で開催された祝春一番2015

5月3日、朝9時半ごろ、服部緑地野外音楽堂。1971年の初回から数え通算30回目の〈春一番〉が11時より開演されるに先立ち、観客列をなす。先頭付近からは「79年のハルイチが終わる時な、フータ言うててんけど……」とお客さんと共に歩んできたこのイベントの歴史が伺えるような会話もちらほら。お手製の手書きボードで撮影禁止や最後尾の案内をする有志スタッフの声も聞こえる。主催者福岡風太がぽつと言った今回のテーマは「原点」。時代の潮流を気に掛けることはなく彼が“ホンモノの音楽”と認めたものだけを届ける、一本筋の通った野外コンサートであるが、今年は長い歴史だからこそ培われてきた、演者・お客さん・スタッフそして音楽の“縁”を強く感じた。

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ハンバートハンバート: むかしぼくはみじめだった

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ハンバートハンバート: むかしぼくはみじめだった

ハンバートハンバート
むかしぼくはみじめだった
ユニバーサルミュージック, 2014年
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彼ら4年ぶりのフルアルバム。その間COOL WISE MANとのコラボ盤発売、NHK子供番組への楽曲提供、佐野遊穂の産休&出産といった刺激を受け、ライブで鍛え上げられた12曲は、喜怒哀楽の先にある人間の本質を奏で始める。浮気をした男の末路「ぶらんぶらん」、得を追い求めて損を被る「ホンマツテントウ虫」、地獄に送られる「くもの糸」…毒はあるがアイロニカルではない。具体的なメッセージ性を野暮と切り捨てるかの如く、粋な余韻を残す。不合理でも思わずやってしまう人間の行動を“業”というが、そんな人間の業にこそ文化が生まれる、と肯定するような描写である。

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