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【レビュー】若き表現者と友達が作る楽園 | 中村佳穂『リピー塔がたつ』

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中村佳穂『リピー塔がたつ』

中村佳穂
リピー塔がたつ
SIMPO RECORDS, 2016年
BUY: SIMPO RECORDS

友人が無ければ世界は荒野に過ぎない。と、言ったのはフランシス・ベーコンだが、この作品もまた彼女の友人達がいなければ完成できなかった作品と言ってもいいのかもしれない。彼女というのは中村佳穂、まだ20代前半の若き歌い手、いや表現者と言ったほうが相応しいのかもしれない。

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【インタビュー】キツネの嫁入りマドナシが語る〈第6回スキマアワー〉

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キツネの嫁入り主宰〈第6回スキマアワー〉

キツネの嫁入り主宰〈第6回スキマアワー〉

とにかくヴァリエイションが必要。政治でも音楽でも、個人の趣味指向でも。とりわけここ数年、そう痛感することがあまりにも多い日が続く。色々な音楽がもっとあっていい。色々な考え方の人がもっといてもいい。もちろん、好みは分かれるだろう。だが、それは尊重し合えればいいだけの話。ヴァリエイションは多ければ多いほど面白い。もちろん、その中からどれを選ぶのかは、あなた自身の感覚に委ねられているわけだが、それに応えてくれるだけの優れたヴァリエイション=選択肢も実はちゃんとあることを覚えていてほしいと思う。

京都でそんなヴァリエイションを実感させてくれる店、場所、イベント、レーベルは少なくないが、『スキマアワー』『スキマ産業』という自主企画を定期的に開催しているキツネの嫁入りというバンドも、その大事な“選択肢”の一つを提供している重要な存在だ。そのヴォーカル・スタイルもイビツな楽曲や演奏もひたすらアクが強いが、しかし、今年結成10周年を迎えた彼らが、ライフワークのように手弁当で企画するイベントだからこそ個性がハッキリしていて信頼ができる。だからこそ面白い。発信者の息吹が強く感じられるから、参加していても手応えが存分に感じられる。優れた企画とはそもそもこうしたものだ。

しかも、『スキマアワー』は徹底して敷居が低い。出演アーティストも、例えば今年ならUAや高野寛といった代表曲を多く持っている全国区での人気アーティストから、海外のアーティストとも交流が深いトクマルシューゴ、あるいは奈良の五味岳久(LOSTAGE)や地元京都の中村佳穂、そして開催バンドであるキツネの嫁入りまで、6組と絞り込んだにしてはこれまたヴァリエイションたっぷり。家族揃っての参加でも楽しめるアットホームな飲食、雑貨の出店の数々も豊富だし、チケット代も良心的だ。

8月6日(土)に開催されるそんな『第6回スキマアワー』は初めて京都精華大学に会場を移す。屋内の《アゴラホール》と屋外の《水上ステージ》の二ヶ所で6アーティストが交互に演奏するだけではなく、子供たちが安心してくつろげる屋内のキッズ・スペースやミスト・シャワーの用意など、暑い盛りの気候に配慮した準備も過去になく入念だ。もちろん、会場へのアクセスも万端。詳細は公式サイトを見ていただくとして、直前に迫った今年の『スキマアワー』の内容とかける思い、さらには京都で活動する中で、今できること、リスナーに体験してほしいことなどを、主催者・キツネの嫁入りのリーダーであるマドナシに語ってもらったのでお届けしたい。(聞き手:(岡村 詩野))

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【コラム】フル編成の吉田ヨウヘイgroupが来阪!京都のSSW中村佳穂と梅田Noon+Cafeで共演

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吉田ヨウヘイgroup

吉田ヨウヘイgroup

関西のイベントsustainal企画。今年〈RO69JACK〉3次選考にコマを進めた京都The Stone That Burnsや、昨年結成10周年を迎え京都で孤高の地位を築いている大所帯バンドLlamaなどもこれまでに出演しているが、今回は東京から吉田ヨウヘイgroupを招聘しての開催だ。

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【ki-ftレビュアーによる】関西音楽ベストディスク2014

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関西音楽ベストディスク2014

関西音楽ベストディスク2014

音楽評論家として活躍する岡村詩野が講師を務める〈音楽ライター講座in京都〉の参加者で作る、関西拠点の音楽メディア/レビューサイト「キフト」を2014年6月にスタートし、半年が過ぎました。無料電子書籍『現代関西音楽帖』や当サイトでは“関西音楽”を中心にレビューやインタビューを行っていますが、「関西音楽ベストディスク2014」を発表します。関西を拠点とするアーティストやミュージシャン、近畿地方に縁のある音楽作品を講座生で選び、2014年を代表する10枚と、次点作品5枚をお届けします。

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【レビュー】中村佳穂『口うつしロマンス』

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中村佳穂『口うつしロマンス』

中村佳穂
『口うつしロマンス』
studioSIMPO, 2014年
BUY: studioSIMPO

ある日、ツイッターにてくるりの岸田繁が京都のSTUDIO SIMPOに行った事を呟いていた。その際、そこで録音されたあるアーティストに対して“良かった”と呟いており、気になった僕は試しにその音源を聴いてみた。ピアノの音がどんどん加速をつけて走り出し、そのサウンドが最高速になった瞬間〈重なり合う手をとって 僕らは命を確かめ合うのさ〉と力強い歌声が僕の心を奪っていった。しばらく呆気にとられた後、CDを買ったのは言うまでもない。それが中村佳穂との出会いであった。

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