【インタビュー】Shout it Out『Prologue』
- By: 山本 悟士
- カテゴリー: Interview
- Tags: Shout it Out

ライヴハウス以外の場所でも音楽プレイヤーなどを通して、常にリスナーのそばに居られるアーティストでありたいなと。
──今後の活動拠点はどこにするのでしょうか?
山内 : しばらくは大阪の予定です。
──活動のペースもやはり早めていくのですか?
山内 : そうですね。高校も卒業して、今までより遥かに自由が効くので。
──それこそ縛りがなくなるということですね。
山内 : そうですね。やっと好きなように動けるかなっていう感じですね。
──自由になって、まずどんなことをしてみたいですか?
山内 : 免許を取って自分たちで車を運転していろんなところにライヴをしに行きたいですね。
──それは良いですね。今年の目標は何かありますか?
西浦 : 山内の話と被りますが、遠方のライヴも東京だけではなく、例えば沖縄とか北海道、それこそ今日のイヴェントの主旨でもある東北に行ってみたりとか。普通に人として興味がある場所に、自分たちの音楽を届けるという理由で行ってみたいですね。
新山 : 今年は多くの人にShout it Outを知ってもらう一年にしようというのがバンドの大きなテーマです。いろんなタイプのバンドがいて、音楽性があると思うんですけど、その中で埋もれずに「シャウト好きやねん」って言ってもらえるように、とにかく動いて、たくさん発信することが目標ですね。
露口 : 僕はコンテストで良い成績を残したいです。今までは決勝まで行ってもダメだったり、〈閃光ライオット〉も3次審査で落ちたりだったんで、今年は勝ちたいです。
山内 : もっと幅広く曲を書いて、例えば嬉しいときはこの曲、悲しいときはこの曲、寂しいときはこの曲というように、どんなシチュエーションでもリスナーに寄り添える曲を届けていきたいと思います。
──今すぐにメジャーデビューを意識したりというわけではないのですね。最終的な目標はどこに置いているのでしょうか?
西浦 : 最近そういう話をしたんですよ。もちろんメジャー・デビューもバンドの大きな目標ですが、最終的にどういうアーティストでありたいかっていう根本の話をしました。一人ずつ決めたんですけど、僕はライヴハウス以外の場所でも音楽プレイヤーなどを通して、常にリスナーのそばに居られるアーティストでありたいなと。
──寄り添うという意味でも奇しくも今日で東日本大震災からちょうど4年目ですが、まだ中学生だった当時、ニュース映像を目の当たりにして何か思ったりしましたか?
山内 : 僕は震災が起きてから2度東北に行きました。
──それはプライベートですか?
山内 : はい。被災地を自分の目で見ておくべきだと思って。当時は中学生でコンビニに設置してる募金箱にお金を入れることくらいしか自力ではできないことが、すごい悔しくて。そこでもっと大きな何かをしようと思って知り合いの大学生に相談をして、10人ぐらいで京都駅の前に立って募金活動をしました。
──通りすがる人たちは募金に協力してくれましたか?
山内 : 募金って大体みんな素通りするイメージを持っていたんですが、やはり日本全体が一致団結していたし、みんな出来ることはやりたいと思っていたんでしょうね。想像していたよりもずっと多くの人が足を止めて、協力してくれました。
──それから4年経った今日、ライヴをしてみて何を思いましたか?
山内 : まだ東北は完全に復興したわけではないじゃないですか。僕らが音楽を通してもっと多くの人に言葉を届けられるようになったとき、中学生の僕には出来なかったことをしたいし、そのためにも成長しなきゃなと思いました。
青々しくはいたいとは思うんですけど、青々しさにしがみつきたくはないですね。
──曲の中で“君”とか“少女”だったりと出てきますが、何かモチーフはあったりするのですか?
山内 : 一曲一曲にちゃんと主人公が存在します。大体実在する人を頭の中に思い浮かべて書きますね。
──「青」でも“少年”が出てきますが、この“少年”はみなさん自身のことですか?
山内 : はい、自分たちに照らし合わせて作りました。
──“少年”というと若い印象を受けますが、まだ自分たちを少年として見ているということですか?
山内 : そうですね。大人になろうともしてないし、なれてないし。考え方もまだまだ子供だと思うので。まだ大人にはなりたくないなという意味も込めて“少年”ですね。
──20代とかになっても青くいられる自信はありますか?
山内 : どうですかね……その頃には別の自分を確立している気がします。一年後の自分さえも今は全く想像ができないんですが、10代から20代って大きな心境の変化があるって聞くじゃないですか? 僕自身もきっとこれからたくさんのことを経験して、色んなことを感じると思いますし。もしかしたら周りの人よりは青さを保っているかもしれないけど、確実に今の自分とは違った青さだと思います。
──10年後の自分に今何かを伝えるなら何を伝えたいですか?
山内 : ちゃんと生きてればそれでいいよって伝えますね。這いつくばってでもいいから、とりあえず自分に恥じずに生きればいいよっていう歌を歌いますね、10年後の自分に。
新山 : 10年後となると30代目前。今はまだ想像さえできない悩みがあると思うんですけど、僕は好きなアーティストのライヴに行って、ずっと聴いてた音源が目の前で生で鳴るっていう感覚がすごい好きなので、その感覚を味合わせてあげられる存在になっていろよと伝えたいです。今日のライヴ中にも「あ、この瞬間のために頑張ってるんや」って感じる瞬間があったんですが、そういう感覚に慣れんといてほしいと思いますね。
西浦 : ちょっとみんなとは視点が変わってくるんですけど、僕は私生活でいつも周りに頑張って合わせようとか考えちゃうタイプで。例えば「お前のこういうところが嫌いや」って言われてそれを直そうとすると、別の人から「俺そういう感じが好きやったんやけどなあ」って感じで言われて、どうしたらみんなに好かれるんやろって考えちゃう癖があるんですよ。それがしんどくて。だからメッセージというより目標に近いんですけど、表現者としてもっと自分らしく生きていてほしいなって。
露口 : 僕は音楽を好きでいてほしいですね、10年後も今と変わらずに。
──10年後も青く、10代の頃の若々しさを忘れずにいられると思いますか?
露口 : 良い意味で保っていたいですね。
新山 : 10年後も俺たちは子供な気がするけどな(笑)。だって小学校1年生のときって小学校2年生の隣の校舎の子らがすごい大人に見えて、時計が読めるとか掛け算ができるとか、それだけですごい大人に感じてた。そのとき友達の高校3年生のお兄ちゃんなんてもう大人でしかなかったけど、いざなってみたらまだまだガキやし。春から高校生ではなくなるけど、気持ちとしては全然子供のままなんで、10年後もまだまだ青いガキなんちゃうかなとは思います。
山内 : 青々しくはいたいとは思うんですけど、青々しさにしがみつきたくはないですね。「青々しくいなきゃ!」って思うようになった時点で、もうそれは青々しさではないと思うんで。そうじゃなく、好きなことに没頭してる大人ってすごい若々しくて、ある意味すごい青々しいと思うんですよ。そういうカッコいい大人になっていたいなと思います。
──その気持ちをいつまでも忘れずにいられるといいですね。今日はありがとうございました。
全員 : ありがとうございました。

Prologue
2015年
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