LUNA SEA 25th ANNIVERSARY LIVE TOUR〈THE LUNATIC -A Liberated Will-〉: at 大阪国際会議場メインホール
- By: 小川 あかね
- カテゴリー: Live Review
- Tags: LUNA SEA


A WILL(初回限定盤A)(SHM-CD仕様)(Blu-ray Disc付)
ユニバーサルミュージック, 2013年
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2000年に“終幕”し、2010年に活動を再開させたLUNA SEAが昨年12月、ついに約13年ぶりのオリジナルアルバム『A WILL』を発表。この夏からは全国ホールツアーが始まった。しかも、これは最新アルバムのツアーというだけでなく、結成25周年の節目に14年振りに全国を細かくまわるという意味も多分に含まれた内容で、各地2days公演で『A WILL』の曲をしっかり表現しつつ、音楽的な技量の高さが発揮されるミドルチューンや、ライヴでのキラーチューンも披露し、2日間で曲目が全く違うというセットリストだった。なお、ツアーは来年3月まで続くので、ここでは特に印象的だった3曲について書く。
まず、新作からの「Thoughts」。この日は出だしで少々もたついたが、キャッチーな歌メロに反して、衝動をそのまま鳴らすように火花を散らす楽器隊4人。5つの個性がひとつに溶け合う時、LUNA SEAならではのグルーヴを味わう。次に中盤でプレイされたミドルバラード「RAIN」。ここで肝となるのがJ(B)だ。重いリズムと、ディストーションとクリーントーンを巧みに使い分けるツインギターを、Jの地を這うベースが繋ぎ、曲に奥行きと広がりを生み、RYUICHI(Vo)は何かに憑かれたような鋭い目つきで一心に歌い狂う。そして定番曲「TONIGHT」。これが素晴らしかった。RYUICHIが伸びのある歌声で「君だけのメロディ」と繰り返すと、会場は眩い幸福感に包まれる。再始動後、私は東京ドームでも大阪城ホールでも、ZEPP NAMBAでもこの曲を観てきたが、今夜はそのどの公演よりもメンバーがファンとの触れ合いを求めているように感じた。INORANはおもむろに客席へおり、Jはピックやタオルをファンへ手渡す。これはホールの規模だからこそできる密なコミュニケーションだ。そして彼らは今回これを強く求めていたのだろう。

LUNA SEA 25th Anniversary Ultimate Best THE ONE + NEVER SOLD OUT 2 (初回限定盤)(4CD+スペシャルブックレット)
ユニバーサルJ, 2014年
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今やLUNA SEAだけが活動の場では無い5人が、地方のファンにも会いに行こうとするのは、終幕も再始動もバンドの全てを受け止め、どんな時もLUNA SEAの音楽を抱きしめ生きてきたファンに、愛と感謝を伝えるために他ならない。それを伝えるには、ステージから客席の隅々まで見渡せ、またどの客席からもステージ全てが視界に入るホールが適している。14年ぶりのホール公演はファンへの深い愛を示すものだった(2014年7月26日-27日大阪公演)。
◆小川あかね
セーラームーン&SPEED世代。ヴィジュアル系村の住人。ガンダムはシャア派。モビルスーツはシナンジュ。好きなタイプは空条承太郎。声優沼に腰くらいまで浸かってます。
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