【ライヴレビュー】tofubeats 『First Album』Release Party: at 心斎橋SUNHALL

tofubeats 『First Album』Release Partyのライヴスタート前
Live Review
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大阪心斎橋SUNHALL
2014年10月19日 at 大阪心斎橋SUNHALL
tofubeats 『First Album』Release Party

24歳、市外局番078神戸在住トラックメイカーtofubeats。彼が注目を集めたのは今から4年前、オノマトペ大臣と遊びで始めたラジオのために作った「Big Shout It Out」がiTunes Music Storeのダンスチャートで1位を記録したこと。2012年にはオノマトペ大臣と神戸は元町のカラオケボックスで作った「水星」がiTunes総合チャートで1位を記録したことが契機となった。その後の森高千里や藤井隆とのコラボは皆さんのご周知の通りだ。

そんな彼のメジャーデビューアルバム『First Album』のリリース・パーティーに行ってきた。奇しくも心斎橋サンホールのリニューアル杮落とし公演という目出度い日となった。ライヴを振り返ると、実に6時間越えの長丁場。出演者はokadadaやSugar’s Campaign、Matsumoto Hisataakaa、星野みちる、SKY-HI、そして藤井隆というお馴染みの仲間と共に豪華なゲスト陣が顔を揃えた。

大阪心斎橋SUNHALLの前にて
大阪心斎橋SUNHALLの前にて

定刻の16時を少し過ぎた頃に本日の会場であるサンホール前に着くと、そこにはこれまでにないほどの人集りができていた。早る気持ちを抑え列に並び会場入りすると、彼の旧友okadadaがDJでちょうど「All I Wanna Do」をかけていた。“踊り明かす”というフレーズが何度も出てくるこの楽曲は、これから始まるパーティーを予見するものだった。

ミッツィー申し訳 aka DJ Michelle Sorryをバックに歌う星野みちるのライヴで和やかな空気になった所で、本日の主役tofubeatsとokadadaによるdancinthruthenightsが登場し「マジ勉NOW!」で一気にヒートアップ。okadadaが茶目っ気たっぷりに言った「よぉーし、ラップするぞぉ〜(笑)。」は、この日のユルく和やかな、そして誰もが楽しんでいる空気感を体現していた。お次はSeihoとAvec AvecによるSugar’s Campaignが登場。ビビットなカラーに彩られ、ハッピーなバイヴスに満ちたセットだった。特に「ネトカノ」でのみんなで大合唱する様に彼らの懐の広さを感じた。次はAAAの日高光啓によるヒップホップ名義SKY-HIとtofubeatsとのコラボが実現。「Tyrant Island」の速射砲は圧巻の一言、始めから終わりまでポップスターの貫禄を見せつけるステージであった。

tofubeats 『First Album』Release Partyのライヴスタート前
tofubeats 『First Album』Release Partyのライヴスタート前

ここからはtofubeatsのライヴセット。彼の楽曲をアゲアゲ仕様にミックス。さらに関西の長寿番組「探偵ナイトスクープ」の曲としてお馴染み円広志「ハートスランプ二人ぼっち」を盛り込むニクイ演出。笑いながら一緒になって合唱する一幕は心地よかった。「朝が来るまで終わることのないダンスを」など、立て続けのアンセムに十二分な満足感を得た。しかし、ここからが本番と言わんばかりに再びokadadaが登場し「ダンシンスルーザナイト」など強靭なグルーヴを持つ楽曲でどんちゃん騒ぎに突入。私を更なる発狂の渦へと呑むように「ディスコの神様」のイントロが流れる。全員で“ディスコの神様〜♪ディスコの神様〜♪”と呼び込むとディスコの神様aka藤井隆が登場。臨界点を超えオーディエンスは一気に前に押し寄せる。完璧に決まるコール&レスポンス、ファンクネスとキャッチーさを兼ね備えたこの楽曲に、どこまでも高く舞い上がった。それは藤井隆が“気を付けて、怪我が心配”と気を使う程で、この日の司会であった心斎橋てるお氏が柵を抑えるというあの名場面も生まれた。この後もokadada、Matsumoto HisataakaaとDJでバトンを繋ぎ鳴り止まない音楽を奏でた。J-POPにクラブを持ち込む男tofubeats。この日もライヴの間はDJセット組まれていた。16時からという早い時間だったのもクラブカルチャーをもっと多くの人にも楽しんでもらいたいという配慮からだろうかと、2人のプレイを聞きながら思いを巡らした。

ラストはクロージングDJとしてtofubeatsが再び登場。「Big Shout It Out」がかかり、PCから不在のオノマトペ大臣の声が聞こえた時に少し哀しくなった。tofubeatsと共に「TOFUビーツ 隣に大臣ワンツースリー」から始まるバースの大合唱は、感動的なものがあった。そして、ここにいるのはオノマトペ大臣のおかげと感謝を告げてからの「水星」。何ともいい話だ。するとオノマトペ大臣がまさかの乱入。私は同じようにオノマトペ大臣が乱入してきたtofubeatsを始めて見たときのことを思い出した。本人も知らされていなかったこのサプライズは、彼にとって一番の祝辞となったのではないか。その様子は彼の長い道のりを振り返っているようで私には感慨深く映った。そんな1日の締めがしっとりした「衣替え」。思わずグッと来てしまい、涙腺が緩んだ。

大阪市営地下鉄御堂筋線心斎橋駅へトボトボと歩きながらヘッドホン着ける。少し肌寒くなってきたことに季節の移り変わりを感じ、そろそろ衣替えをしないとなと思いながら聴く『First Album』は、また格別だった。

tofubeats: First Album
tofubeats
First Album (初回完全限定生産盤)
ワーナーミュージック・ジャパン, 2014年
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