岡村詩野による『音楽ライター講座【初級編】in 京都』が8月に開講
- By: 関西拠点の音楽メディア/レビューサイト ki-ft(キフト)
- カテゴリー: School

好きな音楽に出会ったとき、「この素晴らしさを誰かに伝えたい!」と思ったのに、うまく伝えられなくてもやもやとしたことはありませんか?
2017年2月以来となります“音楽ライター講座in京都”。現在レビュー企画「3×3DISCS」を共同運営しているアンテナ、および会場となるMTRL KYOTOの力を借り、久々に開催いたします。
今回は【初級編】と銘打ち、“音楽の聴き方から実際に文章を書くまで”をテーマに、基本的なライティングスキルだけでなく、その事前準備の段階から学んでいきます。言葉にできない“なんとなく良い”をもっと正確に伝えるために、必要なノウハウを身につけましょう。音楽そのものの面白さ、観察眼を養う楽しさ、そして自分の感情を言葉にあらわす喜びを少しでもお伝えできればと思っています。ぜひご参加ください。
お申し込みはこちらから。
講師紹介
岡村詩野
音楽評論家、音楽ライター、京都精華大学非常勤講師、オトトイの学校・音楽ライター講座講師。
FM京都(α-STATION)『Imaginary Line』(日曜21時)パーソナリティ。『ミュージック・マガジン』『朝日新聞』『VOGUE NIPPON』『The Sign Magazine』『CDジャーナル』など多数のメディアで執筆中。昨年ウェブメディア『TURN』をスタートさせた。Helga Press名義でイベント企画をしている他、2016年には京都の若手音楽家を集めたコンピレーションCDもリリース。
本講座の他、東京・オトトイの学校でも定期的に音楽ライター講座を開催している。
音楽ライター講座 京都校 リニューアル開催にあたって
私が音楽ライターなることを仕事にするようになって、恐ろしいことに25年以上が経ちました。とか言うと、えらいベテランのように思われてしまいますが、今も原稿を書く時には、初めて音楽についての文章を書いた時をふっと思い出して、ドキドキしたり不安になったりします。10代の頃は、レコードの虫、本の虫でした。とにかくたくさん聴いて、聴いて、聴いて、本を読んで、読んで、読んで。まあ、よくある文化女子だったわけです。
つまり、最初から音楽ライターになろうという意識はありませんでした。好きな音楽があって、好きな小説や文章があって、それを一つにできないものだろうか、好きな音楽を自分の言葉で紹介したり伝えたりできたら楽しいだろうな。やり方なんて全然わからないけど、ちょっとやってみようかな。そんな軽い気持ちで書き始め、近所のコンビニでコピーして製本した雑誌を作り、そこに自分の文章を載せていました。
そうしたスタンスは、実は今も基本的に変わっていません。強いていえば、20歳過ぎた頃から批評とか評論の意味を意識的に考えるようになったこと、批評家、評論家、哲学者の本を読む機会が増えたことくらいで、今だに私は好きな音楽と好きな文章をクロスさせるようなイメージで書いています。音楽ライター講座なんて一体何を教えてるの? そんなの教わることでもないでしょう? と言う声もよく聞かれます。私も自分で「そうだよね」と思ったりします。
だから、この講座では、どうやったらうまく書けるのか、コツはあるのか、ノウハウはあるのか……なんてことは一切お伝えしていません。ただ、好きな音楽を言葉にして、それを一つの文章という形に仕上げていく醍醐味を知ってもらいたい。ただ、それだけなんです。
音楽を言語化することは実際にやりがいのある難儀な作業です。そのスタイルやフォルムに決まりはありません。音楽の豊かさに出会った時、私たちはその歓び、あるいは難しさをどう表現すればいいのか。それを知る作業にゴールはないと思います。
でも、最近、思うんです。「音楽についての文章を書くこと」に振り回されていてばかりいないで、もっともっと肝心の音楽に向き合おうよ、と。執筆に向かうのはその後でもいいじゃないか、と。
なので、久々にガッツリと京都で開催される音楽ライター講座では、音楽に向き合うこと自体から一緒に初めてみようと思います。私・岡村は東京生まれですが、京都で10代を過ごし、その後、東京に移り、そして現在また京都に住んでいます。東京には月に2度くらい行ってますが、東西の風通しをもっとよくしたい、関西の仲間をもっともっと増やしたいと思っています。
私・岡村が講師をつとめる音楽ライター講座自体は2000年10月に東京の東急セミナーBEというところで始まり、その後オトトイの学校に引っ越しして、今年で実に18年となります。出身者の中には、確かに実際に音楽ライターになった人もいれば、編集者となった人、レコード会社で活動している人、自分でレーベルを始めた人、あるいはミュージシャンとして活動している人もいます。そして、そうやって巣立っていった仲間たちから今も多くの刺激を受けています。でも、そうしたことはすべてあくまで結果であって、文章を書くことは何もライターになるためだけの作業ではないはずなんです。普段暮らしている中で、文を一切書かない人、文字に全く触れない人などおそらくいないでしょう。
私はここ関西で、音楽について語り合える仲間、そして文章にしてみたいと考える仲間と出会いたい。10代の頃はそんな仲間が誰もいなくて一人で雑誌を作っていました。もし、あなたが一人で音楽に向き合っているのであれば、ぜひ遊びにきてみてください。一緒に、音楽に向き合い、それを文章にする醍醐味を味わいましょう!
岡村詩野
turntokyo.jp
講座内容
講座名
音楽ライター講座【初級編】
音楽を多角的にとらえ、わたしの「良い」を言葉にする
講師
岡村詩野
日時
第1回:8/8(水)19:00-21:00
第2回:8/22(水)19:00-21:00
第3回:9/5(水)19:00-21:00
第4回:9/19(水)19:00-21:00
第5回:10/3(水)19:00-21:00
内容
第一回:音楽について文章で記すことの意味を考える
第二回:どういうアングルで書くのか〜「木を見ること」と「森を見ること」
第三回:実際に文章を書いてみる – レビューは解説ではない –
第四回:リサーチをする
第五回:現在・過去・未来のつながりで音楽をとらえる
会場
MTRL KYOTO
京都市下京区富小路五条下ル (MAP)
募集人数
30名
料金
全日通し(5回):¥12,500
1日参加:¥3,200
※+1drink (¥500) の会場費がかかります。
※単日での参加も可能ですが、全日程での参加を推奨いたします。
申し込み
下部の申し込みフォーム、もしくはこちらよりご応募ください。
主催
関西を拠点とした音楽メディア/レビューサイト 「ki-ft(キフト)」
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